研究分担者 |
松下 秀鶴 国立衛生院, 環境衛生部, 部長 (30124407)
鈴木 務 電気通信大学, 工学部, 教授 (10017311)
白井 恒雄 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (10051393)
園田 恭一 東京大学, 医学部, 教授 (20009898)
高木 誠 九州大学, 工学部, 教授 (90037739)
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研究概要 |
人間-環境系における最も重要な環境場である都市の高密度生活空間を評価するための多面的な情報を取得する方法(広義の環境質計測法)の開発を, 自然科学的な因子に関する高機能計測法の開発と, 社会科学的な因子に関する生活空間評価法の開発の二面から研究した. 1.環境質高機能計測法の開発:(1)都市大気の総合指標物質に関しては, (1)化石燃料起源物質の指標としてバナジウムを選び, アゾ色素をラベル化試薬とするイオン対HPLC法によってng/m^3レベルを評価する迅速法の開発に成功した. この方法が地域間および季節間変動を追跡する手法として十分な機能をもつことを明らかにした. (2)交通起源物質については, 大気粉塵中のゴムタイヤの指標物質としてベンゾチアゾールが有用であり, 同じくメスバウワースペクトルによる鉄化合物の存在状態パターンが指標となりうることを示した. (2)高機能簡易計測法としては, (1)炭酸塩含浸ろ紙を用いるSO_2のパーソナルモニタ(2)小型低騒音サンプラを用いるベンゾ(a)ピレン等の発ガン性物質の簡易計測法, (3)機能性二分子膜等の修飾電極を用いる交流センサシステム, (4)老人性痴呆症や筋ジストロフィーとの関係でニーズの高いアルミニウムの簡易PVCフィルムモニタ, の関係を行ない, それらの基礎を固めた. (3)屋内空間因子の一つとして, 電場・磁場の影響を評価するための手法(マイクロ液を用いる非接触的人体変位計測システム)の開発を行なった. 2.生活空間評価法としては, (1)健全な都市環境を表現する指標の1つとして, 土地利用面積構成比を用いるエントロピー指標を提案し, そ有用性を検証した. (2)保健-福祉環境の質の評価とその指標化について検討し, これらの指標と社会経済的指標との関係が大きいことを明らかにした. (3)高密度生活空間と法規範の関係から快適性を評価する方法について検討し, 住み易さに関する住民意識調査を行なった.
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