• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

各種生態系におけるメタン生成に及ぼす硫酸還元の影響

研究課題

研究課題/領域番号 62602003
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関山形大学

研究代表者

上木 厚子  山形大学, 農学部, 助手 (60143088)

研究分担者 上木 勝司  山形大学, 農学部, 助教授 (10111337)
犬伏 和之  三重大学, 生物資源学部, 助教授 (00168428)
研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1987年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワードメタン / 硫酸還元 / 嫌気的廃水処理 / 水田土壌 / 脂肪酸 / 嫌気性細菌 / 家畜廃水 / 下水
研究概要

一般に, メタン生成の基質の約80%は酢酸で, 残りはH_2+CO_2である. 硫酸還元菌もメタン生成菌と同様, H_2と酢酸を主要な電子供与体として利用するため, SO^<2->_4濃度の高い環境では基質を硫酸還元に奪われてしまいCH_4は殆ど生成されない. しかし, 有機物濃度の高い系では, 酢酸は硫酸還元の電子供与体にはならずメタン生成にのみ使われている事が知られるようになった. 本研究では, 有機物の豊富な家畜廃水や下水汚泥, 更に水田土壌におけるメタン生成に及ぼす硫酸還元の影響を調べ, メタン生成の制御機構の一側面を知る事を目的とし, 以下の結果を得た. 1.牛舎廃水においては, 酢酸ではなくプロピオン酸が硫酸還元の有効な電子供与体であり, H_2は両方の基質になる. 牛舎廃水を用いての各実験におけるメタン生成と硫酸還元への還元力の分配の比率(Percent electron flow)を計算すると, プロピオン酸存在下ではSO^<2->_4を添加すると硫酸還元に依存してプロピオン酸が酸化されるので, メタン生成と硫酸還元へ供給される還元力の総量は, SO^<2->_4を添加しない時と較べ大幅に増加した. その他の場合は, SO^<2->_4濃度がかなり高くても硫酸還元の消費する還元力は全体の10%程度で, メタン生成は余り影響を受けなかった.
2.下水には酢酸あどの脂肪酸やSO^<2->_4は殆ど検出されなかった. 酢酸, プロピオン酸, H_2等を添加するとメタン生成も硫酸還元も促進された. 10mM程度のSO^<2->_4が添加されていてもメタン生成の阻害率は10%以下であった.
3.水田土壌に酢酸・プロピオン酸, SO^<2->_4等を加えて静置培養すると酢酸は速やかに分解されたがプロピオン酸の分解は遅かった. SO^<2->_4添加区ではS^<2->の生成が上限に達してからCH_4が増大した. これは硫黄還元がメタン生成より優先したためと思われる. 以上のように, 系によって多少差があるものの有機物濃度の高い系ではSO^<2->_4濃度が高くても通常CH_4がかなり生成されていることがわかった.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 上木 厚子: 生物科学. 40. 1-12 (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 小熊 朗,上木厚子: 第3回日本微生物生態学会講演要旨集. 59 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] K.Ueki,K.Kotaka,K.Itoh,A.Ueki: J.Fement. Technol.66. 43-50 (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 上木勝司,上木厚子,伊藤謙治,小鷹敬子: 「環境科学」研究報告集G001 環境科学シンポジウム 1987 録演要旨集. 198 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 犬伏和之,堀 謙三,松本 聰,和田秀徳: 日本土壌肥料学会 昭和63年度大会. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

URL: 

公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi