研究分担者 |
平田 彰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00063610)
野池 達也 東北大学, 工学部, 教授 (90005398)
茅原 一之 明治大学, 工学部, 助教授 (80111566)
須藤 隆一 国立公害研究所, 技術部, 部長 (70109916)
今井 弘 北海道大学, 工学部, 助教授 (70001211)
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研究概要 |
低密度分散型居住空間から排出される生活排水に由来する水域の汚濁, ならびに水質源の質的低下に対応するため, 小規模集落から排出される生活排水を閉鎖型処理技術(回分式活性汚泥法, 回転円板法, 嫌気3床法, 嫌気/好気3床法), ならびに自然生態系を利用した解放型処理技術(水路, 水生植物, 池沼, 土壌浄化法)の組み合わせにより, 地域全体を対象としてその水利用形態, ならびに自然環境に適合する総合的な小規模分散型排水処理システムの選定基準を確立することを目的とし, まず各処理式のプロセス工学的特性の基礎的な検討を行った. 実験室研究では, 様々な分散型排水処理方式を相互に比較検討することを可能にするため, 研究分担者が運転操作, 人工排水などの条件を可能な限り統一した. 回分式活性汚泥法では排水中の脱リンに及ぼす様々のイオンの影響を明らかにした. 嫌気・好気3床法では平均滞留時間と流量負荷変動とが嫌気, 好気の各過程の処理特性に及ぼす影響を調べた. 嫌気性3床法では3材の充填密度, 充填法が処理効果に及ぼす影響を検討した. さらに, 茨城県八郷町の小規模集落に共同実験場を建設し, 実際の生活雑排水を用いて各種処理法の比較検討を開始した. ここで, 回転円板法はパイロットプラントの運転を開始し, 負荷変動条件下での処理特性を検討した. 水路浄化法では, 生活雑排水の排除のための開水路で, 汚泥の堆積量とその好気分解速度, 有機物収支を求めて, 生活雑排水中の浮遊物質が浄化能に与える影響を明らかにした. 水生植物では, 現地のアシ原における有機物, 窒素, リン収支を求めるとともに, アシを植えたモデル実験槽に種種の負荷量を与え, アシの浄化能を測定した. 土壌浄化法では, 物質収支が明らかとなる実規模のトレンチを作成し, 窒素, リン等の挙動に関する数理モデルを用いて解析を進めた.
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