研究分担者 |
佐藤 洋 北海道大学, 医学部, 助教授 (40125571)
樫本 隆 摂南大学, 薬学部, 教授 (50158838)
大沢 基保 帝京大学, 薬学部, 助教授 (30129978)
石崎 寛治 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (70111987)
井上 圭三 東京大学, 薬学部, 教授 (30072937)
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研究概要 |
初年度, 各研究分担者は複合要因の影響を検出する系の確立, 試料の収集, 分析等の基礎的研究を開始した. (1)複数汚染物質への同時曝露:小実験動物のスポット尿を試料とし, 鉛と他の重金属の複合効果を高感度で検出するための, ポルフィリン代謝系の変動の微量分析法を初めて確立した(友国). PCDD, PCDF異性体混合物としての焼却飛灰1gが示す鶏胚肝臓酵素誘導脳が, 2, 3, 7, 8-TCDD11ngに相当することを確かめ, 複数異性体同時曝露の生体影響評価に資する基礎的知見を得た(樫本). (2)汚染物質意外の環境複合要因:メチル水銀の胎仔致死毒性が食餌から摂取するレベルの微量の必須元素セレンにより抑圧されることが明らかとなった(井村). 法医学解剖人体試料につき19種の元素濃度を分析し, 性, 年齢による変動, 及び各元素濃度相互の関連について検討した(鈴木). (3)複合要因としての生体側因子:宿主要因としての液性免疫因子が汚染物質の毒性発現に及ぼす影響を検出するためのln vitroの実験系を確立し, cd, hg, pbを用いて検討を開始した(大沢). 有機塩素系化合物等によって生じる細胞障害性過酸化リン脂質を分離, 同定した. また, 生体側の脂質過酸化防御要因として, このリン脂質を基質とするホスホリパーゼA_2の存在を明らかにした(井上). 異なった発育段階におけるメチル水銀曝露の行動中毒学的影響を把えるため, マウス学習能力測定用のスキナー箱を開発し, 基礎的検討を開始した(佐藤). 複合要因としての高感受性を有する集団としての高発癌率集団検出の可能性を検討するため, 乳癌患者と対照群でリンパ球DNA上のH-ras遺伝子座位の種類と頻度を比較検討し, その有用性を考察した(石崎). ニッケル毒性修飾因子として低分子ニッケル結合物質を分離, 同定し, 性状を調べた(和田).
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