研究概要 |
エネルギー変換の一環としてメタノールの電気化学的酸化に注目し以下の項目について研究を行った. 1.速度論:酸性溶液中の速度論的パラメ-タ-が決められ、約0.55Vを境いに低電位領域では、それらの顕著な経時変化が認められた。これらは反応阻害種の生成と密接に関係しその定量関係を検討中、阻害種と考えられる CO単独の吸着・酸化実験も行ない吸着状態によって阻害作用が10^4分の1になることが判明した。 2.多元化による触媒活性の向上:新らしい電極触媒を求めてAu-Ru修飾, Au-Fe修飾のpt電極を作成し, COおよびメタノール酸化活性をボルタモグラム法で調べた. いずれも活性向上が認められたが, なかでもメタノール酸化に対してAu-Fe-400°C熱処理修飾電極はすぐれた触活性を示す. 一方Moを電気化学的に修飾したpt電極を用いたところ普通困難な0.45V以下の電位領域で再現性よく触媒活性を示すことがわかった. この触媒活性は温度とともにさらに顕著となり82°Cでは約10^4倍の酸化電流をえることができる. しかも0.1〜0.2Vの電位領域で観測され, 燃料電池の観点から理想的なものといえる. 吸着状態のMo^4が活性種. 3.SPE膜電極による電極機能の飛躍的向上:SPE(固体高分子電解質)膜面真下に分散析出した金属が触媒として働く膜電極は実働表面積が大きくまた活性の持続性が極めて高く, 電極の機能性が飛躍的に向上することが確められている. 今回はpt-SPE電極にpt-Ru, pt-Au-Ru, pt-Sn合金を化学的に修飾しメタノール酸化を行なった. いずれも無修飾のpt-SPE電極にくらべ1桁以上高い活性を示す. さらに水熱処理を加えるとpt-Sn修飾電極はアモルファス化し, 触媒活性がさらに向上した. 20mA/cm^2(0.4V, 50°C)の定常電流をえている.
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