研究概要 |
前年度までの研究で, タンニンは海水ウランに対して強い親和性を示し, 海水からウランを選択的に捕集できることが明らかになった. タンニンは安価で, 自然界に豊富に存在する資源であるが, そのままの形態では海水に溶けやすいので, タンニンを種々の不溶性担体に固定化て, 該吸着剤を使って海水ウランの回収を試みている. (1)本年度は,さらに吸着性の高い固定化タンニンを得るため, マトリックスの種類, タンニンの種類, スペーサーの効果について系統的解析を行ない, 最適のタンニン固定化法を確立した. (2)固定化タンニンによるウラン吸着の実態について解析した. その結果, 該吸着剤はウラン及びトリウムに対して高い選択吸着能を示すことが明らになった. (3)固定化フラボノイドによるウラン吸着の機構について種々の角度から解析した. その結果, クウエルセチルのウラン吸着は, 5員環のキレートリング形成によることが明らかになった.
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