研究概要 |
i) アクセラーゼとメイセラーゼの相乗効果, アクセラーゼとメイセラーゼの相乗作用を解明するために, まず, 両酵素剤に含まれる全セルラーゼ成分を均一に分取した. アクセラーゼからは9種の成分を得て, それぞれのセルロース分解に果たす役割を検討した. 結晶セルロース分解には5種の酵素が重要な役割を果たしていることが, 明らかとなった. 一方, メイセラーゼからは14種のセルラーゼ成分を均一に分離した. その中で結晶セルロース分解には4種の酵素が重要であることが明らかとなった. ii) アクセラーゼのF1CM-セルラーゼ遺伝子のクローニング 分子量が小さいF1CM-セルラーゼのクローニングを行った. 本酵素をBrCN処理して得られたペプチドの, 部分アミノ酸配列を決定した. これらの結果を用い塩基プローブを合成した. ついで, Asp, aculeatus, No.F-50の菌体からmRNAを抽出し, これを鋳型として二本鎖cDNAを合成し, プラスミドpUC19に連結した. ついで, 合成した塩基をプローブとして, コロニーハイブリダイゼーションにより検索したところ, ポジティブクローンを得ることができた. iii) アクセラーゼのβ-グルコシダーゼ遺伝子のクローニング 重合度の高い不溶性セロオリゴ糖からさえも効率よくグルコースを放出するβ-グルコシダーゼ遺伝子のクローニングを試みた. 菌体DNAを制限酵素で分解し2K-10KbpのDNAをプラスミドYEp13に連結し大腸菌に入れ, gene bankを作成した. これをSaecharomyces cerevisiae NA87-11Aに導入しセロビオースを唯一の炭素源としたプレート上で生育する酵母を1株得ることができた.
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