研究概要 |
1.開管法:(1)Zn, SeおよびPを水素ガスで独立に輸送し, GaAs基板(半絶縁およびn形)上に気相成長させ, P形低抵抗率のZnSeを450°Cで得た. ホール効果の結果, 抵抗率:0.02Ωcm, 正孔濃度:7×10^<18>cm^<-3>, 移動度:40cm^2/Vsを得た. ホール効果の温度依存性(9K〜室温)により, 縮退状態にあることがわかった. (2)ZnSe基板上に成長させた場合, EPMAによる分析の結果10^<20>cm^<-3>以上のリンがドープされている. 従って, 補償比が1に非常に近いことがわかった. (3)シォトルミネッセンスの結果, リンをドープしたものは9KでSA発光のみで, バンド端発光はみられない. 室温では発光が観測されない. アンドープの膜は強いバンド端発光が観測された. 2.閉管法:(1)多結晶ZnSeを原料にし, 原料温度1050°C, △T=10°Cで輸送速度のAr分圧依存性を調べた(10^<-3>〜20Torr). Ar分圧がZnSeの蒸気圧により低いことろでは輸送速度はほぼ一定の値をとり, ZnSe蒸気圧より高いところではAr分圧にほぼ反比例することがわかった. (2)Se分圧に対するZnSeの輸送速度は原料温度1050°CにおいてSe分圧の-3/2剰依存性をもつことを確認した. (3)Se分圧11Torr, 原料温度1000°C, 基板温度800〜920°CでZnSe基板上にエピタキシャル成長させた. (111)A面では基板温度が高くなるとともに, 平坦性が悪くなった. PLのデータは基板温度880°Cと900°Cの時, フォノンレプリカを伴なうI^d発光線が現われ, 結晶性のよい膜が得られた. (111)B面では920°Cの時比較的平坦な膜が得られたが, パンド端発光は全て弱い 3.今後の計画:(1)開管法:リンの輸送量, 基板温度およびZnとSeの供給比の最適値を検討し, Pn接合を形成する. 青色発光ダイオードについて検討する. (2)閉管法:分圧制御した時の特性を調べ, アクセプタのドープ条件について実験検討する.
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