研究分担者 |
西垣 敏 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60126943)
楠 勲 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (30025390)
原田 義也 東京大学, 教養学部, 教授 (20013477)
中村 勝吾 熊本電波工業高等専門学校, 校長 (50029831)
富取 正彦 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (10188790)
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研究概要 |
本研究の目的は, レーザー光や熱による表面原子の配列や吸着原子・分子の動的経過等を原子プローブ(A-P)や走査型トンネル顕微鏡(STM)により原子のレベルで解明すること, 更に, これらの超微視的な研究と平行して, 準安定原子ビームや分子線を試料面に照射して, 表面構造や電子状態を調べ, 微視的で直接的な研究と統計的で間接的な研究との成果を比較検討し, 各手法の特性と特長を評価するとともに, 表面研究に新しい視点をもたらすことにある. A-PとSTMによる研究では, 窒素レーザーやNd-YAGレーザーのパルス光を高温超電導セラミックスやSiに照射し, 表面原子の再配列やクラスター化がしらべられた. A-Pによる超電導ケラミックスの分析では, パルスレーザー光で表面原子の電界蒸発を促進するが, 複雑の原子がクラスターを形成することや, セラミックスの表面が極めて汚染され易いこと, 更に, セラミックス内の組成が数十ナノメートルの幅で著しく変化すること等の興味ある結果が得られた. STMによる研究では, レーザー光の照射により, 原子的に滑らかな表面が凹凸の激しい面に変わることが観察されたが, その原因が表面原子の移動によるものか, 試料面からの反射光がSTMの周辺部を照射して, そこから蒸発した原子, 分子, クラスター粒子等がSi上に付着することによるものかは, 現時点では明らかではない. クラスターの形成過程の解明やSTMの性能と画面処理による解像度との向上が進められている. ペニングイオン化電子分光装置がほぼ完成し, NiのCOが調べられた. また, アセチレン分子線を単結晶のSi(100)面に照射して炭化珪素膜の形成過程を調べ, イオンスパッタ法とAES法により膜を分析した. He準安定原子をアルカリ金属吸着表面に衝突させて, 表面の局所的ポテンシャルと準安定原子脱励起過程との関係を調べた.
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