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海水中の放射性炭素および溶存酸素の精密測定による深層循環の化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62610504
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

蒲生 俊敬  東京大学, 海洋研究所, 助手 (70143550)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1987年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード深層循環 / フィリピン海 / 化学トレーサー / 溶存酸素 / 放射性炭素 / 北西太平洋 / 底層流
研究概要

本年度の研究目的は, フィリピン海を含む北西太平洋海域を中心として, 深層及び底層海水の化学トレーサー, 特に溶存酸素と放射性炭素(C-14)の分布を用い, 同海域の深層循環の特徴を明らかにすることであった. 北西太平洋深層・底層水の源は南極海にあるという一般論にしたがい, 南極海から北西太平洋にいたる西部太平洋の代表的観測点をGEOSECSおよびINDOPAC航海のデータより選んでデーターベースを作り, 底層水の北上に伴うその化学的特徴の変遷を追跡した. その結果, 以下のような点が明らかになった.
1.水深5000m以深のポテンシャル水温-溶存酸素ダイヤグラムは, 単純な直線ではなく, 二つの大きな特徴を持つ. 一つは, サモア水路付近で折れ曲がること, そしてもう一つは, フィリピン海のデータがほかの北西太平洋データからみて高温・高酸素側にはずれることである.
2.一つ目の特徴は, サモア水路までは底層水の性質が南極底層水と南極周極水(比較的酸素に富む)との混合によって決められるためと解釈される.
3.二つ目の特徴は, フィリピン海の底層水の生成過程と密接に関係している. フィリピン海とその東側の北西太平洋とは, 伊豆・小笠原海嶺によって水深1500-2000m以深はほぼ完全に仕切られている. このため, 北東太平洋から西向きに広がる酸素極小層(水深1000-1500m)がフィリピン海には入りにくくなっている. 北西太平洋もフィリピン海も, その底層水の起源は共通で, サモア水路を抜けてきた南極底層水である. ところが, 前者に向かう底層水は顕著な酸素極小層につながる中・深層水との鉛直混合にさらされるのに対し, 後者の海域では酸素極小層の酸素濃度が比較的高い. このため, フィリピン海深層水は北西太平洋に比べて酸素濃度が高いと解釈した. この考え方は, C-14及びケイ酸塩の分布からも裏付けられた.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshio HORIBE: Deep-Sea Research.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Yoshitaka GAMO: Journal of the Oceanographical Society of Japan.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Toshitaka GAMO: Journal of the Oceangraphical Society of Japan.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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