研究概要 |
従来の数値計算方法は, ポアソン方程式の解法に6次精度の多重格子法を用いていたが, 新たに8次精度解法の開発を行い, 乱流の数値計算に不可欠な精度を確保することに成功した. 高度な測定常流である乱流の計算を行う場合, 多重格子法を用いてもなお多くの計算時間を必要とするため, スーパーコンピュータに適したベクトル化を行い, 大幅な計算時間の短縮に成功した. 本数値計算方法を行いて, 従来差分法では困難であったチャネル内流れの安定性の直接数値シミュレーションに成功した. また, 工学上重要な任意形状物体まわりの流れを計算する場合, 計算機の記憶容量, 計算時間の制約から, 計算領域を物体に沿う過度の値が有限である領域に限定する微分積分法が重要となるが, 本研究において, 新しい数値計算方法を提案し, 円柱及び翼型に沿う高レイノルズ数の大規模な直接シミュレーションに成功した. また, これらの流れを計算する場合に重要となる任意形状物体まわりの格子形式あるいはコンピュータによる画像処理の面でも成果を挙げることが出来た. これらの研究は, 計算流体力学で最も権威があるとされているアメリカ航空宇宙学会の第8回計算流体力学会議で発表され, また流体力学における世界的権威である国際応用力学連合のシンポジウムにおいても成功が発表され, 国際的に成果が認められた. また, スーパーコンピュータの利用に不可欠である端末機を研究室に設置し, 計算を行い成果を挙げることが出来た.
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