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アンチ・センスRNAによるDNA複製開始の調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 62615515
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

伊藤 達夫  大阪大学, 理学部, 助教授 (40051817)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワードコリシンE2 / DNA複製 / 複製開始蛋白 / アンチ・センスRNA / RNA高次構造 / RNA分子間相互作用 / 翻訳阻害
研究概要

コリシンE2プラスミドDNA複製系を用いて, アンチ・センスRNAによるDNA複製開始の調節機構の解明を行った. 細胞複製における中心的な素通程の一つである染色体複製開始の調節機構の理解のための基盤となる知見を提供し得るものと考える. 本年度の研究により以下の事が判った.
1.必須複製領域内の約250塩基対の領域に複製開始の負の制御因子の遺伝子がある.
2.この負の制御因子は, 複製開始の正の制御因子である複製開始蛋白の発現を翻訳段階で調節する. 3.この約250塩基対の領域には蛋白の遺伝子は存在せず, 複製開始蛋白のmRNAおよびこれとは逆方向に転写される低分子RNAの二つの転写開始信号が存在する. この低分子RNAはいわゆるアンチ・センスRNAの構造をしている.
4.複製開始が異常となり, 宿主大腸菌内のプラスミド分子数が多くなった突然変異型プラスミドを多数分離した. 変異はいずれも低分子RNAが転写される領域内の大きな回文配列の存在する部分に見出された. これらの変異体では, 野生型の低分子RNAの阻害効果に対する感受性も低下している. これらの変異により複製開始蛋白の翻訳が著しく高くなっている.
5.複製開始蛋白遺伝子の翻訳開始部位の上流領域付近に欠失をもつ変異の示す性質より, この蛋白の効率の高い翻訳にはmRNAの5′末端非翻訳領域の塩基配列と高次構造が重要であることが示唆された.
6.これらの結果より, 高次構造をとる低分子RNAとこれに相補的なmRNAの5′末端非領域との相互作用によりmRNAの構造が変化し, 複製開始蛋白の翻訳効率が低下するという調節機構が考えられる. 今後, RNAの高次構造の解析, RNA-RNA結合反応の解析, RNAの定量などにより, アンチ・センスRNAによる複製開始の分子機構の解明を継続して行う予定である.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Toshihiro Horii: Molecular and General Genetics. (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Yoshitaka Tajima: Molecular and General Genetics.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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