研究概要 |
1)自動回折計のソフトウェアの改良による蛋白質結晶のX線回折強度測定の高速化:理学電機(株)の技術陣との強力により, 24時間で5,700反射程度の測定が可能なソフトウェアの開発に成功した. これは, 従来の約3倍のスピードである. 現在, このシステムを使って, 蛋白性インヒビター SSI の1.95〓分解能の回折データを収集しつつある. 2)生体高分子の立体構造変化を調べる上での"Relative DifferenclDistance Map"の有用性:蛋白質のα-Carbon Chainのトポロジーをコンパクトに表現する手段として良く知られている"Distamcl Map"をfreeのSSIと, 標的酵素Subtilisin(SUBT)と複合体を形成した状態のSSIとの双方について作り, 次にその差をとることにより, 標的酵素との結合に伴う構造変化の実体を一目瞭然にする方法を考察し, 予備的な考察を行った. 3)コンピューター・グラフィックスによる, 蛋白性インヒビターSSIの蛋白工学的改変の戦略の立案:高度の三次元コンピーター・グラフィックス装置を用いて, SSIの蛋白工学的改変が, SSI-SUBTの境界面に及ぼす影響を調べた. 1)SUBTのS1ポケットは, 天然のMet73の代わりに, Lys, Angをも収容し得る. 2)S4ポケットに天然のMet70の代わりはPheを収容するには, 多少のinduced-fitが必要等々. これらの結果の一部は, 東大・工学部三浦研究室に於て実験的に検証された.
|