研究分担者 |
横山 峯介 財団法人実験動物中央研究所, 生殖研究室, 室長 (40090930)
中川 雅郎 国立予防衛生研究所, 獣疫部, 室長 (90072892)
波岡 茂郎 北海道大学, 獣医学部・実験動物学教室, 教授 (10002297)
光岡 知足 東京大学, 農学部・実験動物学教室, 教授 (30157549)
豊田 裕 東京大学, 医科学研究所・獣医学研究部, 教授 (90050418)
|
研究概要 |
現代の先端研究成果として得られる新しいモデル動物の系統化と, それらの維持, 保存, 形質の検定, 生産と供給のシステム化が本研究の目的である. 材料は主としてマウスを用いたが, 今後の研究の発展を考慮して一部ラットについても検討した. ヒトDNAをはじめとする異種DNA導入によるトランスジェニックマウスは, 「遺伝子導入動物」勝木班によって数100種類が得られている. まずこれらのトランスジェニックマウスの系統化を行なった. ヒトインターロイキン2遺伝子導入マウスは, 運動失調を起こし, 交配による増殖が不可能である. そこで, 卵子および精子を体外にとり出し受精させ(体外受精), 偽妊娠メスマウスに移植し(胚移植)仔マウスを得ることができる. その際胚の一部を凍結し(胚の凍結保存), 実験計画に応じて仔マウスを作ることができる. 以上のシステムは, 従来交配によっていたものを, 計画的に大量に生産できることを意味しており, 研究方法の革命的変化をもたらすものと期待される. さらに, ヒトIし2マウスは, ヌードマウスとの体外受精によって, ヌード化を行ない, また年間七代以上の継代をする方法を確立し, 遺伝的背景の変替による, 導入遺伝子の発現を検討できるようになった. その他多くのトランスジェニックスマウスの性質とヒト疾患との関連が検討され, 高血圧, がん, 自己免疫疾患, ウィルス耐性などのモデルの検証が行なわれた. 実験動物は, 遺伝的にも微生物学的にも統御されている必要がある. 従来は, 可視的形質や生化学的, 免疫学的形質によってモニターされていたが, より正確なモニタリングのためには, DNAをプローグとした方法の開発が必要となる. そこで, マウスおよびラットにおいて, 遺伝子多型を利用したDNAモニタリングおよび微生物の感染の有無をウィルスDNAをプローブとして用いる方法の検討が行なわれた.
|