研究概要 |
光生物学の目標は, 光捕獲の量子過程から最終的な生物学的反応が現れるまでの長いtransduction鎖を, 一連の素過程に分けて解析し, 生命現象に対する光の作用を統合的に理解することである. 本重点領域研究では, 光受容関連タンパク質, 光受容膜, さらには光受容細胞などの各階層的構造で起こる素過程について, 分子生物学や細胞生物学で開発された遺伝子操作や免疫化学的手法などの新技術を導入することにより, 光受容関連分子の構造のみならず, 光受容膜の高次構造形成過程やその機能まで解析することを目的として, 研究を進めている. 本総括班は, 本重点領域研究の進展状況を常に正確に把握し, その成果の評価を厳正且つ的確に行い, 計画研究および公募採択による研究が所期の目標に向って効率よく展開するために, 必要に応じて然なるべき助言や指導を与え, 且つ計画班間の連絡を緊密にして互いに新しい研究成果を得るように協力する道を拓くことを目的としている. 総括班は, 研究代表者および各計画研究班の代表者などから成る5名の班間研究連絡調整委員と, 研究成果を評価する9名の成果評価委員とから構成されている. 本年度は総括班会議を62年5月と10月, 63年2月の三回開催し, 第一回会議では本年度の事業計画を検討・決定した. 第三回会議では, 22名の計画研究分担者および9名の公募採択者が行った研究報告を二日間にわたって受け, 各班員について個別に厳正な採点を行い, 次年度の研究計画に対して助言を与えた. 10月には京都で公開シンポジウムを開催し, 三計画班班長および班友が本研究の目指す研究内容について講演を行い, 百余名が参加した. 5月および2月にはニュースレターLUMINIS1号および2号を発刊し, また2月には昭和62年度研究成果報告書を発刊し, 本重点領域研究関係者および関連分野の研究者に配布し, 本研究の進展を計った.
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