研究分担者 |
宇井 理生 東京大学, 薬学部, 教授 (50001037)
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
永津 郁子 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 教授 (80084573)
矢内原 昇 静岡薬科大学, 教授 (80046250)
黒沢 良和 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 教授 (10109259)
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研究概要 |
運動系における情報伝達は, ドパミンなどのアミノ系伝達物質, ガンマアミノ酪酸のようなアミノ酸系伝達物質, 多種の神経ペプチドによって制御されている. 62年度の研究で, シナプス前部神経伝達物質とシナプス後部の情報受容変換機構を分子レベルより解明して次の新知見を得た. パーキンソン病発症の原因候補内因物質のテトラヒドロイソキノリンをパーキンソン病脳に発見しサルでパーキンソン病症状をおこすことを認めた(永津, 吉田). パーキンソ病の発症の遺伝子機構解明の第一段階としてドパミン合成のチロシン水酸化酵素の4種のcDNAをクローニングして塩基配列を決定し単一遺伝子よりスプライスイングで4種のcDNAが生成することを解明した(黒沢, 永津). MPTPパーキンソ病マウスで免疫組織化学チロシン水酸化酵素と平行してドパ脱炭酸酵素も減少する事を見出した(永津郁子). カルモデュリン結合蛋白質の一種でプロテインホスファターゼ活性をもつカルシニューリンが大脳基底核に特異的に分布する事を認めた(宮本). 神経ペプチドではガラニンの特異的モノクローン抗体の作製で成功し脊髄後角に局在する事が明らかとなった(矢内原). 可溶性ソマトスタチン結合蛋白質がAキナーゼに含まれていたのでその異同が追究された. (小川). GTP結合(G)蛋白質の構造と分子機構を解明した(宇井). ドパミンD2受容体を可溶化し別に精製したG蛋白質(Gi, Go)とリン脂質中に再構成させD2受容体がGi, Goいずれも活性化する事が示唆された. またブタ大脳より新しいGn蛋白質が精製された(芳賀). ウシ大脳より5種の新しいG蛋白質が精製された(高井). ウサギ脳より精製したCキナーゼサブタイプI, II, IIIの特異的モノクローン抗体を作製し, I型は小脳のプルキンエ細胞に, II型は小脳の顆粒細胞に, III型はオリゴデンドログリア細胞に分布する事を明らかとした(日高).
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