研究分担者 |
宮武 正 新潟大学, 脳研神経内科, 教授 (50048998)
鈴木 紘一 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報, 部長 (80011948)
佐藤 猛 順天堂大学, 医学部脳神経内科, 助教授 (40018594)
勝木 元也 東海大学, 医学部細胞生物学教室, 助教授 (20051732)
小幡 邦彦 群馬大学, 医学部薬理学教室, 教授 (60013976)
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研究概要 |
本研究班の目的は運動系に関与する細胞群を遺伝子レベルにおける変異或いは欠失としてとらえ, その病態を明かにする事にある. 以下研究概要を述べる. 運動系に関与する脳特異蛋白drebrinの脳発生に伴う変動をdrebrincDNAEクローニングし塩基配列を決定し, 特異的配列に対するペプチド抗体を用い, 発達期のニューロンに存在する事が確認された. 細胞間の情報伝達に重要な役割をはたしているC-キナーゼには3種類の遺伝子に対応する4種類の分子種の存在がcDNAの構造から明らかになった. 運動系異常疾患モデルとしてはミエリン塩基性蛋白(MBP)遺伝子の大きな欠失によるシバラーマウス受精卵にMBP遺伝子を導入し, MBPが産生し, 且つ運動失調の消失を観察した. 酸性α-グルコシダーゼ(α-gumco)欠損による糖原病II型ウブラについてα-guluoに対する抗体を用い, α-glucoには二種類あり糖原病ウブラでは一種類のみしか存在せず, processingの異常が示唆された. ミトコンドリア脳筋症モデルであるmoffleマウスについてチトクロームCオキシダーゼ(CCO)抗体を用い免疫電顕によりCCO蛋白合成に及ぼす銅欠乏の影響が検索され, ミドコンドリア内膜におけるCCOの減少が確認された. 臨床例については先天性ミオパチーの一種であるセントラル・コア病のコア部分は各種筋構造蛋白抗体による検索の結果α-アクチニンZ蛋白などZ帯構成蛋白の特異的減少が確認された. 同じ先天性ミオパチーであるネマリンミオパチーと全く反対の状態にある事が明かになった. Gauche病はリソドーム水解酵素であるグルコセレブロシダーゼ遺伝子欠損により基質であるグレコセレブロシドが蓄積する疾患であるが急性型, 非神経型症例についてゲノムDNAの塩基配列の解析を行い, 臨床型と変異との間に相同性のある事が明かになった. Hunkington病についてはG8, 及びC4Hの2つのDNAプローブを用い日本人症例について遺伝子座の連鎖検定を行い, 何れも高い連鎖が確認された. しかし臨床症状の類似した歯状核, 赤核, 淡蒼球, ルイ体萎縮症がは上記プローブとの間に連鎖がない事が明かになった.
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