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カルシニューリンの脳内における特徴的局在-大脳基底核疾患との関係

研究課題

研究課題/領域番号 62623509
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関熊本大学

研究代表者

宮本 英七  熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)

研究分担者 山本 秀幸  熊本大学, 医学部, 助手 (60191433)
福永 浩司  熊本大学, 医学部, 助手 (90136721)
研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードカルシニューリン / プロテインホスファターゼ / 神経細胞特異性 / 免疫組織化学 / 大脳基底核 / 線条体遠心性ニューロン / ハンチントン病
研究概要

カルシニューリン(CaN)は最初カルモデュリン(CaM)結合蛋白質として脳内に見出され, CaM活性化酵素阻害因子として同定された. ついで, 本蛋白質はCaM依存性プロテインホスファターゼ活性を保持する酵素であることが明らかになった. 臓器分布を調べると, 脳にもっとも高濃度に存在した. 脳内の細胞局在では, ニューロンのみに存在し, グリアには存在していなかった. 本研究ではラット脳よりCaNを精製し, 家兎に免疫してポリクローン抗体を作製し, 以下の知見を得た.
1)免疫組織化学法により, ラット脳の脳内分布, 細胞内局在を調べた.
2)脳内分布を調べると, 大脳皮質, 海馬, 大脳基底核, 黒質に免疫反応性が認められた. 大脳皮質では特にIII〜V層の神経細胞, 海馬では錐体層, 放射状層, 線条体では尾状核-被殻, 黒質では網状部に染色性を認めた. また, グリア系細胞は免疫反応性を示さなかった.
3)酵素免疫測定法を確立した. 本法は1ngCaNを測定可能であった. 本法による定量で, 脳内分布は免疫組織化学法の知見と一致していた.
4)線条体(尾状核)部位を免疫電顕法で調べると, 樹状突起, 細胞質, 神経棘, 軸索, 神経終末に広く反応性を認めたが, 中でも, 樹状突起の後シナプス肥厚部, 微小管上に豊富に認められた.
5)黒質を含めた大脳基底核での免疫活性を調べると, 線条体神経細胞およずその遠心性線維(線条体-淡蒼球路, 線条体-黒質路)に特異的に存在していた. 淡蒼球, 黒質(網状部)のCaN免疫活性は線条体細胞の遠心線維に由来するものであり, 同部に存在している神経細胞はまったく免疫活性を有していない.
6)ヒト死後脳の線条体におけるCaN免疫反応性を調べると, 正常対照と比較してハンチントン病では著明に減少し, パーキンソン病では有意の差を認めなかった. 以上の結果は, CaNが大脳基底核の遠心性ニューロン機能に重要な役割を演じていることを示唆している.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Satoshi Goto,et al.: Neuroscience. 22. 189-201 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] Satoshi Goto,et al.: Cancer. 60. 2948-2957 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] 後藤 恵,他: 神経化学. 26. 478-480 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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