研究課題/領域番号 |
62840005
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 東北大学 (1988) 筑波大学 (1987) |
研究代表者 |
小松原 武美 東北大学, 理学部, 教授 (80004331)
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研究分担者 |
大貫 惇睦 筑波大学、物質工学系, 助教授 (40118659)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1987年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | トリアーク炉 / セリウム化合物 / ヘビーフェルミオン / ウラン化合物 / 高濃度近藤状態 / 引き上げ法 / 高濃度近藤効果 |
研究概要 |
希土類化合物やウラン化合物の物質開発に対する我が国の後進性が目立っているが、その原因は効率的な研究開発用結晶育成炉が未開発な点にある。本研究では、TiやZr等の不純物ガスゲッターをアーク加熱溶解し、炉内に残留した酸素等の不純ガスを吸収しながら、独立に出力を制御した3つのアークトーチを用い、回転している水冷ハース上で母結晶を均一に溶解し、主に引き上げ法で純良単結晶を育成できる特徴的な小型電気炉を試作し、実用化することを目的とした。更に、これを用いて高濃度近藤状態にあって、低温ではヘビーフェルミオンとなるCe化合物やウラン化合物等の単結晶を育成し、様々の方法で育成した単結晶と比較検討し、不純物効果が少ない純良単結晶の育成技術と条件を確立することも目的とした。 本研究で当初目的としたトリアーク炉は、昭和62年度末まで試作を完了し、充分な性能を発揮し初期の目的を達成した。しかし、出力微調整可能な電源の必要性や炉内が広範囲に明視でき、且つ清浄化も簡単にできる炉チャンバーに改良する必要があったので、63年度前期にそれらを設計変更し、後期には、更に多目的で高性能な付加価値の高い小型実験炉としての可能性を模索し、拡充設計を完了した。その結果は、昭和63年度発足の重点領域研究「アクチナイド化合物の物性」で用いるウラン化合物の物質探索用小型実験炉として開発するまでに至った。 Ce化合物の純良単結晶育成に関しては、既存の結晶育成装置を駆使して単結晶を育成して比較した。重い電子状態にあるCe化合物の物性は超低温で不純物効果を鋭敏に反映するので、各地の計測グループと共同研究を推進し単結晶の純良性について検討した。現状では、超高純度の単結晶育成法は可能な限り高純度の原料素材を使用して育成し、超高真空中で熱処理する方法が最善であるとの結論に到達している。
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