研究課題/領域番号 |
62850019
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械材料工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
城野 政弘 大阪大学, 工学部, 教授 (20029094)
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研究分担者 |
安井 一雄 大阪大学, 工学部, 助手 (50029047)
菅田 淳 大阪大学, 工学部, 助手 (60162913)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1988年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1987年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 電界放射型走査電子顕微鏡 / 直接観察 / 観察部雰囲気装置 / 疲労き裂 / き裂開閉口 / 真空環境 / 除荷弾性コンプライアンス法 / コンピュータ制御 |
研究概要 |
電界放射型走査電子顕微鏡の予備フランジに取付け可能で、観察部の試験片き裂先端に任意ガスを供給できる雰囲気装置を試作し、実用環境下での疲労き裂進展試験と直接観察を行なえるようにした。また温度環境の調整もできるように試験片チャック部を改造するとともに、調整を進めた。き裂進展の観察としては、先ず、一方向性のけい素鋼板を用い、負荷除荷を空気中で繰返す場合のき裂開閉口挙動の観察を行ったが、き裂が対称な交直すべりで開口するMode Iき裂の場合では、き裂開口点は真空中の方が高くなり、酸化物誘起き裂開口は支配的でなく、むしろき裂先端の再溶着などが関与していると考えられた。なお、大気中試験においてもわずかではあるがき裂先端でのが認められた。無方向性の多結晶材における観察からは結晶方位、粒界がき裂進展方向、き裂開閉口挙動に大きく影響していることが明らかとなったが、これらの影響は、K値が高くなくにしたがい小さくなるようである。実用材としては、構造用材料として最近注目されているP/Mアルミニウム合金4種とCrMo鋼について試験を行い、き裂開閉口機構の検討を行った。前者の材料では、疲労破面に押出しによる筋状組織に対応する凹凸が観察され、大気環境下では、この破面粗さとき裂開口点の高さが対応したが、真空環境下では同様の破面粗さを呈するにもかかわらずき裂開口点はほぼ同じとなった。このことより大気環境下のき裂開閉口挙動には破面粗さのみならず、大気環境下で生成される酸化物がくさび作用として関与していることが示唆された。一方、滑らかな破面の場合には、けい素鋼板と同様真空環境下の方がき裂開口点が高くなり、微視的破面様相や再溶着が関与していることが示唆された。後者の材料では、熱処理により材料組織、硬度、繰返し軟化特性を変化させ試験を行ったが、き裂閉口現象にはこれらの諸特性も複雑に関与していることがわかった。
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