研究課題/領域番号 |
62850052
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西永 頌 東京大学, 工学部, 教授 (10023128)
|
研究分担者 |
阿部 孝夫 信越半導体(株), 半導体研究所, 研究部長
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
22,700千円 (直接経費: 22,700千円)
1989年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1988年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
1987年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
|
キーワード | Si / GaAs / LPE / 横方向成長 / SOI / 液相成長 / エピタキシャル横方向成長 / 無転位結晶 / ステップ源 |
研究概要 |
3次元高集積化を実現するSOI構造をLPE法を用いた横方向成長により作製した。溶媒には同族元素のSnを用い、基板はLPE法の場合唯一の特異面となる(111)面を用いた。本技術を実用化する為、(1)薄く広いSOI層(2)表面の高平坦性(3)3次元構造(4)高結晶性を実現すると共に(5)Sn溶媒の成長層の電気的特性への影響に注目して研究を進めた。(1),(2)の点を改善するため成長機構を調べた。その結果特異面上ではらせん転位と二次元核と基板のミスオリエンテ-ションにより供給されるステップにより成長する事が分かった。薄く広いSOI層を得るには膜厚方向の成長を抑制すれば良いので、特異面上のステップ源を基板のミスオリエンテ-ションだけにしてラインシ-ドより成長したところ、膜厚3.2μm、横方向成長量240μm、縦横比75のSOI層を得る事に成功した。その表面は完全に近いファセットとなるため非常に平坦となっていた。 (3)に関しては3つの技術を開発した。第1はLPE法では従来難しかった膜厚制御技術である。リッジ高さを変えながら完全な特異面を持ったリッジシ-ドから横方向成長を行うとリッジ高さと同じ膜厚の成長層が得られる技術である。次は成長表面が特異面となるため特別な平坦化工程なしに平坦な成長層表面から得られる自動平坦化技術である。最後は大面積のSOI層を得るため成長層同士を結合する技術で、ボイドを結合部に残さないためには過飽和度と結合時の膜厚を小さくする必要があることが分かった。 SOI層の結晶性を調べるために、成長層のSirtlエッチングの発生状況を調べた。縦横比が改善される条件で無転位の高品質成長層が得られることが分かった。最後にSnの影響をp-n接合の電流電圧特性から調べたところ、Snの影響は殆ど認められずバルクに近い特性が得られた。 これらの結果から、本成長法を用いると結晶性の良い高品質SOI層を制御性良く形成できることが分かった。
|