研究課題/領域番号 |
62850068
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子機器工学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
張 吉夫 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20029846)
|
研究分担者 |
近藤 和夫 富士通研究所, 化合物半導体研究部, 主任研究員
柴富 昭洋 富士通研究所, 化合物半導体研究部, 部長代理
梅田 徳男 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (40142319)
SHIBATOMI Akihiro Fujitsu Laboratories, Compound Semiconductor Devices Laboratories
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
|
キーワード | 超高速 / 光検出器 / HEMT構造 / 多重 / 2次元電子ガス層 / ピコ秒 |
研究概要 |
研究目的のため、単層構造を持つHEMT構造光検出素子に関して、その高速応答の機構についての再検討と、それによる単層の高速化に関して研究を進めた。まず、検出素子の電極回路要素による応答速度の劣化を評価するため、ゲート幅の影響について実験的検討を加えた結果、ゲート幅を20μmから10μmへと短縮することにより、その応答速度は22psから18psへと短縮できた。この結果は、この応答速度領域では、なお電極回路要素の影響を受けていることを示している。つぎに、HEMT構造自体が高速化に真に寄与しているか否かを確認するために、ゲート幅10μmの素子について、応答速度の温度依存性を観察した。その結果、室温で18psの応答を示す素子が、126°Kの低温においては13psの応答へと改善されることが示された。この結果は、HEMT構造に付随している2次元電子ガス層が、実際に、素子の高速化に寄与していることを示している。 二層構造をもつHEMT光検出器の応答特性をサンプリングオシロスコープにより観測した。まず、その光応答感度について述べる。2次元電子ガス層を二層構造とした素子は、単層構造素子の1.7倍程度の感度を示した。つぎに、光応答速度についてはサンプリングオシロスコープの測定限界に(立ち上がり時間≦25ps)よりも、単層・二層構造の両試料とも速い(半値全幅で約50ps以下)ため直接観測できなかったが、これまでの単層構造での結果から、二層構造にすることによる応答速度の低下は見られないと考えている。これらのことによって、2次元電子ガス層の二層化に伴うHEMT構造光検出素子の高感度・高速化の目的が達成せられた。 以上の結果を基に2次元電子ガス層の多層化を試みたが、まだ最適化条件は見い出せていない。しかし、当初の着想・目的である多重HEMT構造・高速光検出器実現の見通しは得られた。
|