研究課題/領域番号 |
62850125
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属加工
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小幡 充男 東北大学, 工学部, 教授 (10005548)
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研究分担者 |
中居 則彦 (株)日本高周波鋼業, 開発部, 執務員
三原 毅 東北大学, 工学部, 助手 (20174112)
NAKAI Norihiko On leave from Nippon Koshuha Steel
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 超音波 / 表面波 / 後方散乱 / 非破壊検査 / 浸炭 / 周波数解析 / 実効値 |
研究概要 |
本研究では、浸炭処理材の浸炭深さ評価に超音波後方散乱法を適用するため、まず超音波発信器、受信用プロセッシングオシロスコープ、サーキュレータ、解析用パソコンからなる後方散乱信号測定装置を構成した。予備実験の結果、用いる探触子の特性が散乱波に大きな影響を与えることが分かったため、数種の探触子について検討し本研究では、10MHz縦波用探触子を用いることとした。これらの装置により、縦波法を用いて後方散乱信号を測定した結果、縦波法では探触子前面のバッファ内の多重反射による入力信号の漏れが、試料表面近傍で散乱波を歪ませることを確認した。従って、組織の変化が表面近傍に集中する浸炭材の材質評価に、従来用いてきた縦波法は使えないことが分かった。そこで縦波法の代わりに、超音波が浸炭層表面に沿って伝播し、入力信号の漏れの少ない場所でも測定が可能なRayleighを検討した。Rayleigh波の送受信は、微弱な散乱波を十分な強度で受信できるよう、Wedge法によるものとした。また、このようにして受信した後方散乱波の解析は、従来試料表面上多点で測定した散乱波を、アベレージング処理することで散乱波を抽出する方法が取られてきた。しかしこの方法は、測定に長時間を要し実用に適さないことから、本研究では受信した散乱信号を周波数解析処理(FFT処理)し、求めたパワースペクトルの実効値電圧から散乱波の強度を評価する方法を取った。 試料は、低合金鋼を数種の工業的浸炭熱処理および研削により、浸炭深さを変えた7種の鋼種とし、以上に示した装置で測定したRayleigh波後方散乱波の実効値電圧と、浸炭深さの関係を調べた。その結果、Rayleigh波後方散乱波の実効値は、浸炭深さと強い相関を持つことが明らかになり、この関係から浸炭深さの評価が可能であることが分かった。
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