研究課題/領域番号 |
62850132
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐久間 健人 東京大学, 工学部, 教授 (50005500)
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研究分担者 |
正木 孝樹 東レ, 開発部, 主任研究員
MASAKI T. Chief Scientist, Development Division Toray
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 部分安定化ジルコニア / 破壊靭性 / 相転移 / 微細組織 / 混合組織 / マルテンサイト変態 / 結晶粒成長 |
研究概要 |
高強度、高靭性ジルコニアの開発を目指して、ジルコニア系セラミックスの微細組織制御と力学特性の関連について研究し、以下のような結果を得た。 (1) ZrO_2-Y_2O_3系およびZrO_2-CeO_2系の破壊靭性値の組成依存性を調べ、この値が最高となる組成が ZrO_2-Y_2O_3系で 〜2mol%Y_2O_3 ZrO_2-CeO_2系で 〜5mol%CeO_2 ZrO_2-Y_2O_3-CeO_2(CeO_2/Y_2O_3=2/1)で、〜4.5mol%(Y_2O_3+CeO_2)であることを示した。 (2) ジルコニア系セラミックスは、c-t2相領域内での加熱により、通常の析出組織が形成される場合と、c-ZrO_2結晶粒とt-ZrO_2結晶粒からなる混合組織が得られる場合がある。前者は、焼結体の結晶粒が大きい場合現れ易く、後者は結晶粒の微細な焼結体に生じる。混合組織が生成すると、結晶粒成長が著しく遅滞することが明らかにされた。この結果は、商用されるTZPの熱処理を決めるうえで有用であることが示された。 (3) ZrO_2-Y_2O_3のc-t無拡散転移は、2種類の微細組織、ドメイン構造とレンズ状あるいは薄板状のt'-ZrO┣D22を生成する。前者は相転移に伴って常に体料全面に現れ、c-t無拡散転移が2次相転移の性格を有していることに因っていると理解された。一方、後者の組織は、t'-ZrO┣D22┫D2の生成に伴うひずみエネルギーを緩和するために導入された双晶あるいはバリアントであると考えられる。 (4) ジルコニアのt-m無拡散変態(マルテンサイト変態)はZrO_2-Y_2O_3系よりZrO_2-CeO_2系の方がはるかに起り難い。
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