研究課題/領域番号 |
62850139
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神野 博 京都大学, 工学部, 教授 (40025846)
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研究分担者 |
八尾 健 京都大学, 工学部, 助手 (50115953)
宮田 昇 京都大学, 工学部, 講師 (10026221)
福谷 征史郎 京都大学, 工学部, 助教授 (40026208)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1987年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 気相軸付け法 / 光ファイバ母材 / 水素拡散火炎 / 反応機構 / シリカ微粒子 |
研究概要 |
気相軸付け法による光ファイバ用母材の製造におけるシリカ微粒子の生成過程を解析する目的で、その過程を次の3段階に分けてシミュレートした。 (1)水素-酸素拡散火炎の燃焼反応、(2)シリカ微粒子の生成反応、(3)火炎中のシリカ微粒子の運動。まず段階(1)はもととなる火炎の構造を理解することを目的にして行い、(2)は段階(1)の水素-酸素拡散火炎中で生じている燃焼反応に四塩化ケイ素からシリカ粒子が生成する反応を加え、燃焼反応と微粒子生成反応との関係について考察した。さらに段階(3)では火炎中の種々の位置で生成したシリカ微粒子が、火炎の上部にある光ファイバ母材に付着するまでの過程を、主として流体力学および微粒子の運動力学の立場で解析し、シリカ微粒子を効率よく母材に付着させるために必要な火炎中のシリカ微粒子の生成位置および火炎の形状について検討した。得られた結果をまとめると次のようになる。 (1)この火炎では燃焼反応が生じている領域とシリカ微粒子が生成する領域とはほぼ完全に分かれており、燃焼反応は火炎の下部で集中的に起こる。余分の酸素はこの燃焼領域を取り囲むように流れ、燃焼反応が終了した後、中心軸方向に向かう流れと拡散とによって火炎の中心部に達する。 (2)火炎の中心部を流れる四塩化ケイ素はほとんど未反応のまま燃焼領域を通り抜け、燃焼反応によって生成した反応熱で加熱され、同時に中心部へ移動してきた酸素と出会って、燃焼領域の下流でシリカ微粒子を生成する。 (3)母材表面近傍では流速が非常に小さくなるため、シリカ微粒子の運動に対して熱泳動が著しく影響するので、母材表面付近の温度勾配をできるだけ大きくしなければならない。 (4)母材表面の広い範囲に均一にシリカ微粒子を付着させるためには、母材表面を包み込むような気流を作らなければならない。したがってできるだけ火炎を太くし、しかもその中心部でシリカ微粒子を生成する方がよい。
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