研究課題/領域番号 |
62850146
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
平井 英史 東京理科大学, 工学部, 教授 (90010751)
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研究分担者 |
工藤 徹一 日立製作所中央研究所, 主任研究員
後藤 八重子 東京大学, 工学部, 助手 (00092388)
好野 則夫 (好野 規夫) 東京理科大学, 工学部, 講師 (50084380)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1988年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1987年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 高分子保護金属コロイド / 金属超微粒子 / オレフィンの水素化 / 固定化触媒 / ロジウム超微粒子 / パラジウム超微粒子 |
研究概要 |
本研究は、金属超微粒子を保護コロイド作用を有する合成高分子で保護し、さらに、この合成高分子と担体高分子とを共有結合で連結することにより、新しい型の固定化触媒を開発することを目的とする。N-ビニル-2-ピロリドンとアクリル酸メチルの共重合体(アクリル酸メチル残基は32モル%)で保護されたロジウム金属超微粒子(直径は20〜80〓、平均粒径50〓)をアミノエチル化ポリアクリルアミドゲルに反応させ、アミド結合することにより固定化に成功した。この固定化触媒を用いて、各種オレフィン類のエタノール水混合溶媒中、30℃、全圧1気圧での水素化を行った。固定化触媒は、活性炭担持触媒に比し、エチルビニルエーテルで22倍、シクロヘキセンで10倍の水素化活性を示し、回収再使用を行っても高活性を維持した。つぎに、高分子保護金属ロジウム超微粒子固定化触媒の基質選択性を調べた。シクロヘキセン、シクロペンテンおよび1-ヘキセンなどの疎水性基質の水素化は、金属超微粒子の均一分散液に比べて、活性が小さいが、エチルビニルエーテル、アリルアルコールおよびアリルアミンなどの親水性の高い基質の水素化は、固定化触媒は均一分散液の1/2〜1/3の活性を示し、固定化による活性の低下は小さかった。また、アクリル酸の水素化は、固定化触媒の方が均一分散液よりも活性が高かった。つぎに、高分子保護金属パラジウム超微粒子固定化触媒の調整を行い、水素化触媒活性を調べた。金属パラジウム超微粒子はメタノール-水溶媒系において保護高分子の存在下アルコール還元法により調整した。得られた金属パラジウム超微粒子の平均粒径は、約25〓であった。アミノエチル化ポリアクリルアミドゲルを担体として、高分子保護パラジウム超微粒子の固定化に成功した。得られた固定化触媒による、種々のオレフィンの水素化初速度を調べたところ、市販の活性炭担持パラジウム触媒に比べて活性は小さいが、回収が容易であり、5回繰り返し使用した場合の触媒活性の低下は、市販の活性炭担持触媒に比べ著しく小さいことを見出した。
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