研究課題/領域番号 |
62850150
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
南 亨 (南 享) 九州工業大学, 工学部, 教授 (10029134)
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研究分担者 |
榊原 敏之 日本精化, 研究所, 研究所長
山口 雅彦 九州工業大学, 工学部, 助教授 (30158117)
SAKAKIBARA Toshiyuki Nippon Fine Chemical Manager Research Laboratories
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 不斉配位子 / 不斉ジホスフィン / 不斉触媒反応 / 不斉ヒドロシリル化 / ホスフィノカルボン酸 / 不斉アルキル化 / 不位触媒反応 |
研究概要 |
本研究は、実用的不斉触媒用配位子の経済的な合成プロセスの確立と新しいタイプの不斉配位子の開発を目的とした。 1.1,2-ビスジフェニルホスフィノシクロブタン(DPCB)の合成 先に開発したDPCBの実用的合成のための条件検討を行った。塩基をn-Buliからt-BuLiへ変化させることにより、DPCB oxideの収率向上(37% 42%)と精製の容易さが判明した。DPCBのRh錯体を触媒(1 mo1%)としてケトンの不斉ヒドロシリル化を経由するアルコールの不斉合成を行った。アセトフェノンから1-フェニルエタノール(化学収率64%、光学収率11%ee)が、またレブリン酸エステルからγ-バレロラクトン(同70%、同35%ee)が合成できた。 2.2-ジフェニルホスフィノシクロアルキルカルボン酸(DPCAC)の合成 先に我々が開発した1-シクロアルケニルホスホニウム塩と1,3-ジチアンより簡便に(±)-DPCAC oxideの合成に成功した。(±)-DPCAC oxideメチルエステルをトリクロロシランで還元し、エステル加水分解後、フェニルエチルアミンにより光学分割できた。 光学活性DPCAのPd錯体を触媒(1.0-1.5 mo1%)として、シクロヘキセニルアセテート、1,3-ジフェニルプロペニルアセテート等のアリル化合物より、π-アリルパラジウム錯体を経由する不斉アリル化反応をマロン酸エステル、ホスホノ酢酸エチル等を求核試薬として行った。 化学収率(60%-100%)、光学収率(30%-90%ee)ともに良好な結果を得た。 このように当初計画した新しいタイプの不斉ホスフィン配位子である1,2-ビスジフェニルホスフィノシクロブタン(DPCB)及び2-ジフェニルホスフィノシクロアルキルカルボン酸(DPCAC)の開発に成功した。これら不斉ホスフィンは、不斉触媒配位子として不斉触媒反応に利用出来ることを見い出した。 実用的応用が大いに期待される。
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