研究課題/領域番号 |
62850159
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
若尾 法昭 横浜国立大学, 工学部, 教授 (10017858)
|
研究分担者 |
船造 俊孝 横浜国立大学, 工学部, 助手 (60165454)
谷生 重晴 横浜国立大学, 工学部, 講師 (40018073)
影井 清一郎 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (20017966)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1987年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 温度差利用 / ポンプ / フロン / 省エネルギ / 省エネルギ- / 温度差ポンプ / ピストン式温度差ポンプ / U字管式温度差ポンプ / フロンボイラー / フロン凝縮器 |
研究概要 |
温度差ポンプはフロン11'の蒸気圧力で水を低所から高所に揚送する電力無消費型のポンプである。 本年度は水を封じたU字管の一方の管にボイラ-からのフロン蒸気を送って、その蒸気圧力で水面を押し下げることで他の管内の水を押し上げて揚送するフロン蒸気一水直接接触方式のもので、このU字管内の水へのフロン蒸気溶解を出来る限り少なくすることの研究を行なった。U字管内でフロン蒸気の温度より、これと接触する水の温度が低いとその接触面でフロン蒸気の凝縮が起き、凝縮したフロンが水より若干密度が大きいため水中を沈降してU字管底部にたまる。揚水時にU字管内の水位が両管内で動き、また揚水が終ってフロン蒸気を凝縮器で凝縮させる時に再び両管内の水位が動く。この水位変動によってU字管底部に沈降していたフロン液が攪拌されて水と混合を起こし、水と一緒に揚送されてしまうのである。 この解決策として我々はU字管をフロン蒸気と同程度に加熱させてみた。この場合、フロン蒸気一水の接触面でのフロン蒸気の凝縮は起きない。ごく僅かにフロンは水に溶解する(25℃での水への溶解度=0.011)が最終的にU字管内の水がフロンの飽和濃度になっても揚水側への影響は極めて小さいことが分った。また、プラスチックの袋の膨張・収縮やピストン(ステンレス・スチ-ル)駆動に比して、フロン蒸気ー水接触式の水封U字管の場合は水の運動のみなので摩擦による動力損失は遙かに少なく、また長期の運転に耐えることがみとめられた。このポンプの駆動は太陽熱加熱または工場温排水でよく、冷水は揚送される水そのものでよい。このような低位の温度差の有効利用としては本研究のように水の位置エネルギへの転換が最も効果的なのである。今後更に若干の改良を経て、省資源または電力の乏しい低開発国で実用化されよう。
|