研究課題/領域番号 |
62860005
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
高橋 壯 (高橋 壮) 岩手大学, 農学部, 教授 (60003753)
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研究分担者 |
石原 愛也 岩手大学, 農学部, 教授 (20011827)
吉川 信幸 岩手大学, 農学部, 助教授 (40191556)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | リンゴウイルス / 相補DNA / クロ-ニング / ウイルス診断 / リンゴウィルス / ウィルス診断 / クローニング |
研究概要 |
本研究は、リンゴ高接病の病原ウイルスの相補DNA(cDNA)をプロ-ブとして用い、感染植物の簡易診断法を開発する目的で行った。リンゴクロロティックリ-フスポットウイルス(ACISV)とリンゴステムグル-ビングウイルス(ASGV)を供試して、次のような研究成果を得た。 1.ACLSVとASGVに対するcDNAのクロ-ニングに先立ち、両ウイルスを精製し、RNAの性状を調べた。ACLSVおよびASGVはいずれも1本鎖RNAを有し、分子量はそれぞれ2.48×10^6および2.30×10^6であった。両ウイルスのRNAの3末端にポリA配列を有している。 2.両ウイルスのRNAから、オリゴ(dT)法およびランダムプライマ-法によりそれぞれのcDNAを作製した。ついでに2本鎖DNAとし、これを大腸菌にクロ-ン化した。得られたcDNAクロ-ンは、ACLSVではゲノムの全長を、ASGVではゲノムの96%を占めていた。 3.両ウイルスとそれらのcDNAとのハイブリド形成に関する標準操作法を検討し、検出・定量条件を確立した。^<32>P標識のcDNAをプロ-ブとして、ドット・ハイブリダイゼ-ションしたところ、精製ACLSVとASGVではスポット当たり1.6pgまで、ACLSVーRNAでは5.12pgまで検出できた。 4.上記のcDNAを用いて、両ウイルスを検出・定量することが可能になったので、これを罹病リンゴ樹の診断に応用する実際的方法について検討した。その結果、5月採取の若いリンゴ葉や花弁を検定材料とすれば、本法は実用的診断に利用できるが、8月、11月の古い葉では検出が困難であった。この方法は、茎頂培養で増殖させたリンゴ苗のウイルス検定にも応用することが可能となった。 5.本法による診断操作は、試験管内で多数の試料について短期間(3〜4日)のうちに完了することができる。また、この診断技術はリンゴモザイク病の診断にも原則的に適用できる。
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