研究課題/領域番号 |
62860023
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塚本 勝己 (塚本 勝巳) 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10090474)
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研究分担者 |
石井 重男 岐阜県魚苗センター, 主任研究員
望月 賢二 東京大学, 総合研究資料館, 助手 (50114682)
沖山 宗雄 東京大学, 海洋研究所, 教授 (00111584)
大竹 二雄 東京大学, 海洋研究所, 助手 (20160525)
ISHII Shigeo Gifu Prefecture Ayu Hatchery
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 耳石標識法 / 稚仔魚 / 魚卵 / 大量標識法 / 標識放流 / アリザリン・コンプレクソン / テトラサイクリン / 蛍光物質 / 螢光物質 |
研究概要 |
本研究で予定した計画はほぼ完遂し、最終目的とした魚卵・稚仔の耳石標識法の確立を果すことができた。その成果の概要は以下の通り。 (1)塩酸テトラサイクリン(TC)、アリザリン・コンプレクソン(ALC)およびカルセイン(CAL)が耳石標識剤として使えることがわかった。それぞれ黄色、鮮紅色、緑黄色の蛍光を呈するマークを作った。至適当処理法は魚種・発育段階により異なるが、おおむね100〜300mg/lで24時間浸漬するのが良かった。複数の標識剤で多回処理することにより多重標識が得られた。 (2)本法をアユ・ニジマス・サクラマス・シロウオ・マダイ・ヒラメ・ニシン等淡水魚・海産魚計24種に試してみた所、いずれも標識可能であった。 (3)標識処理によって耳石に2〜3日分に相当するチェックリングができることもあるが、その後通常の輪絞形成が再開された。標識魚と対照魚の成長生残に差はなかった。骨・鱗・鰭条等耳石意外の硬組織には標識処理後約1ケ月経過すると全く標識蛍光は見あたらず、標識剤は耳石を除き全て外へ排出されてしまうものと考えられた。これらのことより、本法が魚に与える悪影響はほとんどなく、また標識残存期間もその個体のほぼ一生に亘るものと予想された。 (4)ゴム引きのキャンバス水槽(6角形・直径約6m、水深50cm)を考案したことにより、安全且つ廉価に大量の稚仔魚を標識することが可能となった。 (5)実際の天然海域でALC標識したマダイとTC処理のアユ仔魚を放流して追跡調査したところ、本標識法がこれらの野外調査で極めて有効であることが確認された。また2群の稚仔魚に全く同一の環境条件を与えて飼育する際にも本法は有効であることが確認された。 (6)本研究の成果の一部は10編に分けて公表された。
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