研究課題/領域番号 |
62870005
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
大森 治紀 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (30126015)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | Fura-2 / 顕微測光 / 細胞内Caイオン / 有毛細胞 / 遠心性神経線准 / Furaー2 / 遠心性神経 |
研究概要 |
Caイオンは各種細胞活動において、セカンドメッセンジャーとして知られている。神経系においても、神経伝達物質の放出を制御し、シナプス伝達に直接関与するばかりでなく、シナプス活動の長期増強機構においても最重要因子の一つと考えられている。従って、細胞機構の解析において、細胞内Caイオン動態の解析は、今や欠く事のできない重要な知見となっている。本試験研究は、そうした状況も踏まえて、電気現象を始めとする各種細胞機能と細胞内Caイオンのダイナミクスとを組み合わせて、同時に記録・解析する為の装置の試作と神経細胞活動のCa代謝面からの解析を目的としたものである。 昭和62年度は、オリンパス光学に依頼して、Caイオンの顕微測光を目的とした装置を試作し、二三の応用実験を行った。その一つは、神経芽細胞腫のブラディキニンに対する応答の一つとて発生する細胞内Caイオンの一過性上昇現象の解析である。もう一つは、ラット海馬からの初代培養神経細胞において検出したグルタミン酸によるCaイオンの放出機構の解析である。ともに外来の化学物質刺激に応じた細胞内Ca応答を明瞭に記録・解析することができた。 昭和63年度は、本来の目的である多点同時測光技術を完成し、内耳有毛細胞のムスカリン応答の解析を行った。遠心性の神経支配が有毛細胞に対して知られていたが、そのイオン機構を始めとして実態は不明であった。本装置の応用によって初めてコリン作動性、抑制性のシナプス機序が有毛細胞のレベルで明らかになった。 本装置は1点測光では十分な時間分解能を持つが、多数点測光では遅い。遅いCa現象に対しては十分な時間分解能であるが、現在これを更に高い時間分解能を持たせる為に改良中である。
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