研究課題/領域番号 |
62870009
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
遠藤 仁 , 医学部・薬理学, 助教授 (20101115)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1987年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 生物発光 / 酵素的サイクリング / 超微量定量 / ATP / NADH / Na^+ / K^+-ATPase / 単離ネフロン分節 / NADPH / Na^+、K^+-ATPase |
研究概要 |
病態の発症や薬物の作用機序を細胞、分子レベルで解明するに当っては、生体の各組織を構成する不均一な個々の細胞での代謝の特性を明らかにすることが必要である。とり分け、各種酵素や基質の分布とそれらの変動を細胞レベルで測定できれば、病態の発症過程を代謝学的に把握できる上に、合理的な薬物治療法の開発を可能にする。従って、本研究では諸種酵素の活性、並びに基質の超微量測定法を確立する目的で、酵素的サイクリングと生物発光測定を結合させ、以下の超微量測定法を可能にした。併せてこの方法により幾つかの新しい知見を得ることができた。 1.ルミノメーターの精度の検討と測定の自動化。本研究費により購入されたLKB社製1251型ルミノメーターは球面鏡を採用しており発光量を360度集光できるので、特別のキュベットを必要としなかった。PC8201とプリンターを結合させることにより10^<-12>molオーダーのATPやNADH、NADPHの測定を自動化した。 2.ATPの超微量測定法の確立と応用。10^<-13>molまでのATP量は測定系を小型化(全量100μl)することで可能となった。又生物材料からのATP抽出はトリクロール酢酸が最適であることが判明した。この方法を利用して、正常状態及び各種薬物、毒物による腎単離ネフロンの各分節におけるATP産生基質とATP代謝回転の測定を可能にした。 3.Na^+、K^+-ATPaseの超微量測定法。NADHの酵素的サイクリング法を併用することにより10^<-16>molのADP量が測定できた。この方法で単一細胞のATPase活性の測定が可能になった。 以上が具体的に2年間で終了し得た成績であるが、この方法の原理は当初の計画通り、NADPH及びCoA系へも応用は可能である。
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