研究課題/領域番号 |
62870023
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
東 市郎 北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (50028411)
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研究分担者 |
瀬尾 寛 富士紡績(株)商品開発研究所, 課長
杉村 和久 北海道大学免疫科学研究所, 助教授 (80127240)
石原 智明 北海道大学免疫科学研究所, 助教授 (90082172)
済木 育夫 北海道大学免疫科学研究所, 助手 (80133776)
戸倉 清一 北海道大学理学部高分子学科, 教授 (40000806)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1987年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 70%脱アセルチルキチン(DACー70) / アジュバント活性 / 硫酸化カルボキシメチルキチン(SCMーキチン) / 癌転移阻止 / カルボキシメチルキチン(CMーキチン) / ドラッグデリバリ-システム / 硫酸化キチン / 硫酸化キトサン / 免疫増強活性 / 癌転移抑制 / スルホン化キチン / スルホン化キトサン |
研究概要 |
キチンは自然界に広く分布し、地球上でセルロ-スに次ぐ資源量であると推定されているが、その殆どが有効に利用されていない。本研究において化学合成したキチンの各種誘導体の医療材料としての開発を目的として次の成果を得た。 【研究成果】 1.キチン誘導体の免疫アジュバント活性:種々の化学合成されたキチン誘導体の免疫アジュバント活性を検討した結果、70%脱アセルチルキチン(DACー70)及び30%脱アセチルキチン(DACー30)がマウスの腹腔マクロファ-ジの活性化、血中抗体の産生、サイトカイン(インタ-ロイキンー1、インタ-フェロン)の産生などに強い増強活性を示した。またマウスにおける大腸菌やセンダイウイルスなどの感染に対する非特異的生体防御活性を示した。 2.硫酸化カルボキシメチルキン(SCMーキチン)の癌転移阻止活性:マウス高転移腸瘍系B16ーBL6メラノ-マ細胞系を用いる実験的肺転移並びに自然肺転移モデルにおいて、SCMーキチンは優れた転移阻止活性を示した。その機序としてSCMーキチンは腫瘍細胞の基底膜浸潤を阻止すると共に、腫瘍細胞由来のIV型コラゲナ-ゼ及びヘパラナ-ゼを阻割することが示唆された。 3.カルボキシメチルキチン(CMーキチン)の薬剤担体としての有用性:CMーキチン水溶液に強化鉄(3価)溶液を加え撹拌することによりゲルを作製することが可能であることを見出した。その際抗癌化学療法剤のドキソルビシン(Dox)やネオカルチノスタチン(NCS)を共存させると、これら抗癌化学療法剤は80%以上ゲル内に取り込まれる。このようにして作製した抗癌剤含有CMーキチンゲルを生体に投与すると、CMーキチンゲルは生体のリゾチ-ムによって酵素消化を受け、封入された薬剤も徐放されることが明らかにされた。このようにして作製されたDoxーやNCSー含有CMーキチンゲルを用いてマウス高転移腫瘍系であるB16ーBL6メラノ-マ、L5178YーML25腫瘍系を用いて癌転移阻止活性を検討した結果、抗癌単独に比し徐放効果及び転移阻止活性のいずれにも優れた成績を示した。
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