研究課題/領域番号 |
62870026
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
桜井治彦 ハルヒコ (桜井 治彦) 慶應義塾大学, 医学部衛生学公衆衛生学教室, 教授 (70051357)
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研究分担者 |
富田 豊 慶應義塾大学, 理工学部計測工学科, 専任講師 (50112694)
大前 和幸 慶應義塾大学, 医学部衛生学公衆衛生学教室, 専任講師 (60118924)
東 敏昭 慶應義塾大学, 医学部衛生学公衆衛生学教室, 専任講師 (10119000)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 曝露評価 / 個人曝露測定機 / 心拍数 / 呼吸量 / ICカード / 有機溶暇センサ / 心拍 |
研究概要 |
本研究の目的は生体の各種動的情報及びそれを取り囲む環境情報を同時に計測記録することにより、疾病の予防、早期発見、管理に有用なシステムを開発することである。実用化にあたり、先ず用途を産業衛生分野に限定した上で開発をすすめた。従って2年間の本研究期間は主として産業衛生分野における機器開発を目標とし、粉塵、有機溶剤などの気中有害物質濃度、気温等の環境情報とともに、心拍、体温等、作業者の生体情報を測定、記録し、解析するシステムを完成させた。これはセンサ、データロガー、ICカードソフトウェア、コンピューターの各パートから成っている。測定されたデータはデータロガーによってICカードに記録され、カードリーダーを介してパーソナルコンピューターにより解析される。ICカードの使用によって本体を拘束せず長時間の使用を可能にした点に一つの特長と有している。また、もう一つの特長として、粉塵或いは有機溶剤の曝露濃度とともに曝露者の心拍数変動から曝露時の呼吸量をも経時的に予測、記録する点が挙げられる。作業強度により大きく変化する呼吸量を考慮することによってより実際の曝露量を把握しようと試みたものであるが、心拍数から呼吸量を予測するにあたっては、各種運動負荷、精神負荷下における心拍数と呼吸量の関係を実験的に調べ、個人の身体特性をも考慮に入れた予測式を作成した。この予測式による誤差は概ね20%以内と考えられ、十分に本システムの目的にかなうものであった。このシステムの有用性を検討するためにトルエンの人体曝露実験を行い、本システムによる測定値と生物学的モニタリング値との比較検討を行った。使用した有機溶剤センサは本システムのために本研究の一部として特に開発を行ったものである。試験結果より、本システムは曝露評価の道具として許容濃度等の再考、有害物質の作業環境管理等に有用なものであると考えられた。
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