研究概要 |
1.昭和63年度に1号機を改造したが試用の結果一部不都合が生じたため次の如く感度ならびにスライスレベル等を再設定した;感度:200μV,500μV,1000μVの3段切換、スライスレベル:10%,20%,30%の3段切換、記憶時間単位:1秒,5秒,10秒,1分,5分,10分の6段切換。 2.上記改良機を用いて被検者5名を対象に予め設定したアイソメトリックテストならびに標準模擬動作を行い感度およびスライスレベル別に筋力・筋電図・PEMM出力の関係を解析し次の結果を得た。 アイソメトリックテストにおいては、いずれのスライスレベルにおいても同一個人においては、PEMM値と発揮された力ならびに筋電積分値との間に有意な関係が認められ、PEMMを用いて筋出力を評価することが可能であると考えられた。また、スライスレベルを変化させることによってPEMMがカウントを始める負荷の大きさが異なり、測定対象となる作業強度によってスライスレベルを設定できることが認められた。 模擬動作においては、スライスレベル50μVでPEMM値と筋電積分値の間に高い相関が得られ、それ以上のスライスレベルでは動的で強い動作の出現を評価することが可能であることが認められた。 3.重症心身障害児施設、保育所の保母・指導員・調理員、延べ19名を対象に作業内容・作業姿勢・上肢動作のタイム・スタディならびに全作業時間中の筋電図・心拍・PEMMの測定を行い、これらの関係を解析した。その結果PEMMが背腰部等の長時間の筋活動量あるいは背腰部を使用する職場の労働負担を評価する簡便な測定器として有効であることを確認した。
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