研究課題/領域番号 |
62870037
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
松尾 裕英 香川医科大学, 医学部, 教授 (90028514)
|
研究分担者 |
片倉 景義 日立製作所, 中央研究所第九部, 主任研究員
宇多 弘次 香川医科大学, 医学部, 教授 (80107044)
水重 克文 香川医科大学, 医学部, 助手 (90166009)
森田 久樹 香川医科大学, 医学部, 助手 (70145051)
千田 彰一 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30145049)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
|
キーワード | 超音波顕微鏡 / 生体組織特性計測システム / 干渉法 / XーZモード / 測定部温度 / 試料厚み / 絶対音速 / 冠動脈壁音速計測 |
研究概要 |
本研究では、生体組織試料の音響学的性状を定量的に評価しうる高周超音波生体組織特性計測システムを新たに開発し、本システムを用いてヒト冠動脈壁各層別音速計測を行い、各部位における組織硬度に関する評価を行った。 1.本システムは、超音波顕微鏡(HSAN-500S、周波数400MHz以上)を主体とし、これに制御部、情報処理部を組み合わせて構成した。組織の絶対音速を精度よく計測するために、試料厚みおよび測定部温度を正確に規格化しうる特殊試料台を新たに作製した。本試料台は、試料塔載用スペースとして一定の凹部を有するガラス台およびこれを被うマイラー膜と、可変型温度制御装置に接続する金属製台座より構成した。 2.試作試料台を本システムに組み込んで、試料厚みが初期設定通りに切り出されているか否か、および測定部温度制御が正確に行われているか否かの検討を行った。試料厚みの正確性は、XーZモード法により描かれる干縞パターンの読影により判定可能であった。可変型温度制御装置により測定部温度は±0.1℃の誤差範囲内で制御可能であった。組織音速計測は、試料厚みds、および対照部に対する試料部の干渉縞のズレ量Δzより、試料(Vs)の媒体(Vw)に対する音速比Vs/Vw=1/(1-Δz/ds)として算出できる。本試料台を用い、試料厚み及び測定部温度を精度よく制御可能となったことにより、生体組織試料の絶対音速計測が可能となり、今後種々臓器の健常、病的組織に置ける組織性状評価の発展が期待される。 3.心臓病が死因でない剖検心12例より得た冠動脈組織を対象として、内膜、中膜内層および外層の3点につき、5〜7μm領域の平均値としてVs/Vwを算出した。結果はそれぞれ、1.105±0.012、1.150±0.04、1.187±0.033で音速は一般に硬い組織でより速くなることにより、冠動脈壁は内層から外層に向け、硬度の増す傾向にあると考えられた。
|