研究課題/領域番号 |
62870048
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
|
研究機関 | 熊本大学 (1988) 大阪大学 (1987) |
研究代表者 |
七里 元亮 熊本大学, 医学部, 教授 (00028515)
|
研究分担者 |
榊田 典治 熊本大学, 医学部付属病院, 助手 (50170577)
福島 英生 熊本大学, 医学部, 講師 (80145325)
竹田 晴生 熊本大学, 医学部, 講師 (80155019)
山口 康平 熊本大学, 医学部付属病院, 講師 (80109678)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
|
キーワード | 内部多重全反射プリズム / 赤外分光分析法 / レーザ赤外分光分析法 / フーリエ変換赤外分光分析 / 非侵襲的血糖計測法 / 組織液ブドウ糖濃度 |
研究概要 |
光学的手法を用いた生体物質の計測法は、非侵襲的、連続的、即時的計測を可能とするものであり、近未来の計測法として極めて有望視されている。本研究においては、内部多重全反射(ATR)プリズムを組み込んだフーリエ変換赤外分光分析装置(光源、発熱体)を用い、体液成分、殊にブドウ糖濃度計測のための基礎的検討を行った。 1.ブドウ糖溶液の吸光スペクトルでは波数1033および1088cm^<-1>にピークが認められ、頂点吸光度および面積吸光度はブドウ糖濃度と高い相関を示した。 2.体液成分のうち、赤血球、血清アルブミン、血清コレステロールがブドウ糖の吸光度のピーク値に干渉することが認められた。 3.血清、血漿、全血試料の吸光スペクトルにおいてブドウ糖固有のピークが認められ、頂点強度法、面積強度法(いづれもベースライン法)と血糖値の間に有意な相関関係が認められた。殊に、干渉物質の影響を除外すべく、空腹時の血清、全血試料の吸光度の差スペクトルで表現することにより吸光度とブドウ糖増加量とは有意に相関を認めブドウ糖濃度の定量化が可能となった。 4.皮膚、粘膜組織の吸光スペクトルにおいてもブドウ糖固有のピークを認めたが、干渉物質の更なる検討が必要と考えられた。 以上、基礎的検討の結果、生体試料、生体組織のブドウ糖濃度の非侵襲的計測の可能性を示唆しえたが、今後、機器の改良に加え、定量解析、殊にブドウ糖濃度の定量的解析のための検量線(コンピュータ分離アルゴリズム)の開発が急務と考えられた。いづれにしても、生体物質の非侵襲的計測法の高分離、高分解能化、定量化には、ハードウェア的に、光輝度の高い炭酸ガスレーザを適用、発振スペクトルを従来の光源の1/1000と細かくし、高分解能化、出力安定化を計る必要がある。
|