研究課題/領域番号 |
62870078
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
津留 宏道 (都留 宏道) 広島大学, 歯学部, 教授 (90034157)
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研究分担者 |
橋本 正毅 広島大学, 歯学部, 助手 (80189505)
赤川 安正 広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (00127599)
筏 義人 京都大学, 医用高分子研究センター, 教授 (00025909)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1987年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | ポリ乳酸・アパタイト複合体 / 生体内分解吸収性ポリマ- / 骨造成 / 脱灰骨 / 骨誘導 / ポリマー・アパタイト複合体 / 骨造成材料 / インプラント |
研究概要 |
生体内分解吸収性ポリマ-・アパタイト複合体による新しい骨造成材料の開発をめざして、種々の複合体を試作し、さらに骨形成因子(BMP)を含む同種脱灰骨粉を精製し、これを加えた複合体をも試作した。これらに対する骨組織反応を主として組織学的立場から検索し、新しい骨造成材料の臨床応用への可能性を明らかにしようとした。 1.生体内分解吸収性ポリマ-としてのポリ乳酸は、生体内で無害に分解・吸収されたが、分解過程で生じる乳酸が複合体による骨形成の環境を酸性にすることが考えられ、この酸性の環境は新しい骨造成をおこすには必ずしも有利ではないことが判明した。したがって、本材料を用いる場合には、ポリ乳酸の分解吸収速度の制御や、分解過程でのphの変化を最小にする処理が必要であることが強く示唆された。 2.アパタイトは骨伝導能を有するものの、骨誘導能はないことが確認できた。すなわち、アパタイトの骨形成能は骨膜側では悪く、骨髄側で良好であり、いずれの実験においてもアパタイト周囲には骨形成を示す所見は得られなかった。そこで、骨形成因子(BMP)などと複合させる必要性が示唆された。 3.骨誘導能をもつ同種脱灰骨・ゼラチン複合体を試作し、ミニポアフィルタ-による力学的フレ-ムを併用した状況下において、骨膜下での骨新生を頭頂骨部と下顎骨体部とで観察したところ、いずれの部位においても、埋入2週後の早期より母床骨表面に新生骨が形成され、期待される三次元的骨造成を達成することができた。 以上、ポリ乳酸・アパタイト複合体は新しい骨造成材料として必ずしも適当でないものの、骨誘導能をもつ脱灰骨を複合体の一部に用いれば、骨造成が早期より達成できることが明らかにされ、骨形成因子を含むポリマ-・アパタイト複合体が有望視できた。
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