研究課題/領域番号 |
62870081
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
平澤忠 タダシ (平澤 忠) 鶴見大学, 歯学部, 教授 (80064335)
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研究分担者 |
岡田 淳一 而至歯科工業, 研究所研究員
富岡 健太郎 而至歯科工業, 専務取締役
原嶋 郁郎 鶴見大学, 医学部, 教授 (00121129)
TOMIOKA Kentaro Executive Director, GC Dental Industrial Corporation
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1987年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 歯科用接着剤 / 接着強さ / 接着前処理 / レドックス重合 / 光増感重合 / グラスアイオノマー / フラクトグラフィー / 歯科用接着材 |
研究概要 |
本研究では、メタクリロキシエチルナフタレントリカルボン酸無水物(MENTA)の歯科用レンジ接着剤への応用研究を行った。 3元素重合開始剤あるいは光増感重合を利用したジメタクリレート系接着剤への応用として1.5wt%MENTA-126,48.5wt%2-ヒドロキシエチルメタクリレートおよび50wt%2,2-ビス(4-メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンから成る組成物に過酸化ベンゾイル-N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-P-トルイジン-P-トルエンスルフィン酸ナトリウム系三元重合開始剤、あるいはカンファーキノン-N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート系可視光線増感剤を用いたところ、エナメル質に対して140kgf/cm^2、象牙質に対して60kgf/cm^2の接着強さが得られた。これらの接着強さは、市販コンポジットレジン用接着材の中で最も優れた性能を示す製品と同等以上の値であった。 一般に歯質表面の接着前処理は強固な接着を得るために必要とされるが、特に象牙質に対しては大きな接着強さの得られない場合もあった。その原因を接着破壊面の走査型電子顕微鏡観察によって究明したところ、接着界面近傍の樹脂含浸象牙質層直下での破壊が多く認められる場合は大きな接着強さが得られていないことが明らかとなった。そこで、多価金属カチオンを含む酸水溶液の前処理効果についても系統的に検討し、第2銅イオンあるいは第2鉄イオンとクエン酸あるいは乳酸を組み合わせた処理剤を使用するのが効果的であることがわかった。 MENTAを含むレジン接着剤にイオン架橋反応を利用するため、MENTA-アクリル酸共重合体のグラスアイオノマーセメントへの応用を模索した。しかし、MENTA含有共重合体に疎水性の高いナフタレン環の含有されるようになるため共重合体の水溶性は低下し、汎用性のある硬化特性を得ることは困難であった。
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