研究課題/領域番号 |
62870086
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 伸一 京都大学, 薬学部, 助教授 (20025688)
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研究分担者 |
井上 謙一郎 京都大学, 薬学部, 助手 (40025713)
藤多 哲朗 京都大学, 薬学部, 教授 (40027024)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 高等植物 / 細胞培養 / アカネ科 / クワ科 / モノテルペン / イリドイド / プレニルカルコン / 抗発癌プロモータ / 生合成 |
研究概要 |
アカネ科クチナシ連植物のカルス誘導を行ない、本邦産クチナシ及びコクチナシからは、母植物のイリドイド成分のゲニポシド、ガルデノシド等の他に母植物からは検出されないタレノシドを生産する培養細胞系を得た。葉からイリドイドの検出されない東南アジア産クチナシ属植物の培養細胞はゲニポシドを除く上記のイリドイドを生産する。熱帯南アメリカ産のGenipa americanaはその葉にゲニポシジン酸を含むのみであるが、カルス化すると熱帯産クチナシ属植物培養細胞と同様のイリドイド生産を示す。南アフリカの温帯地域に生育するGardenia vorkensiiの葉からはイリドイドは検出されないが、その培養細胞は本邦産クチナシと同様ゲニポシドを含むイリドイドを生産する。小笠原産シマギョクシンカの葉はタレノシドとゲニポシジン酸を含むが、そのカルスも母植物と同様のイリドイドを生産する。その懸濁培養細胞はゲニポシドをガルデノシドに変換する能力があることから、この植物ではゲニポシジシ産をメチル化する酵素活性を欠いているために生合成が次の段階に進まないものと考えられる。ゲニポシドやその非糖部ゲニピンが発芽ならびに根の伸長抑制活性をもつことから、この物質を蓄積する能力の有無が植物の環境適応や進化に深くかかわっていることが考えられる。ゲニピン等の抗発癌プロモータ作用についても検討中である。クワ培養細胞からは光学活性なDiels-Alder型付加化合物のカルコモラシン及びクワノンJ高生産培養細胞系を得、^<13>C標識酢酸の投与実験により、カルコモラシンの2-アリルベンゾフラン骨格の形成機構や、プレニル部分の酢酸からの微妙な生合成機構を明らかにした。酢酸から複合経路で生合成されるプレニルカルコンのC_6-C_3-C_6単位とプレニル部分の形成の時間的なずれを明確に示す結果も得られた。クワカルスから再分化した植物体の根からモノテルペノイド置換新フラボノイド2種を得て、その化学構造を決定した。
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