研究課題/領域番号 |
62870091
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大塚 栄子 北海道大学, 薬学部, 教授 (80028836)
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研究分担者 |
岩井 成憲 北海道大学, 薬学部, 助手 (10168544)
井上 英夫 北海道大学, 薬学部, 助手 (80088856)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1987年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | RNAの位置特異的切断 / RNAの塩基配列特異的切断 / 大腸菌RNaseH / RNA・修飾DNAハイブリド / 2'-0-メチルオリゴリボヌクレオチド / キメラオリゴヌクレオチド / 大腸菌tRNA<met(\)f> / 2′-O-メチルオリゴリボヌクレオチド / 大腸菌tRNA<Met( / )f> |
研究概要 |
RAaseHはRNA・DNAハイブリドのRNA鎖を加水分解する酵素であり、RNAの領域特異的切断に利用されている。しかし短鎖DNA相補鎖を用いるこの反応では、ハイブリド領域内や近傍の数ヶ所が切断されるため、一般的な使用には到っていない。本研究では、修飾DNA相補鎖をRNaseH反応系に用いてRNAを任意の位置で切断する方法を開発した。 2'-0-メチルオリゴリボヌクレオチドの合成と核酸ハイブリド形成能等に関する研究成果から、DNA相補鎖の代わりに短鎖DNA(3〜5mer)の両端もしくは片端に2'-0-メチルオリゴマーが連結したキメラオリゴヌクレオチド(9mer)をデザインして合成した。各種合成オリゴリボヌクレオチド(9、18mer)とキメラ相補鎖のハイブリドに大腸菌RNaseHを作用させると、未修飾相補鎖の使用で観察された数ヶ所での切断が制限されることが判明した。特に4鎖長のデオキシ領域を含むものでは、高選択的切断が起こり、その位置はRNA・DNAハイブリド領域のリボ領域のリボ鎖3'末端に共通していた。キメラ相補鎖は2'-0-メチルオリゴマー領域を任意の長さに設定できるため、高次構造を有するRNAとのハイブリド形成に問題はないと考えられる。実際に鎖長90の人工型RNAとキメラ相補鎖(9〜15mer)をアニーリングした後、酵素反応を行うと、ループおよびステム部分の目的位置が切断された。また本法の適用範囲を探る目的で大腸菌tRNA<met(\)f>を用いて、アンチコドンループとステム、Dループ、アクセプターステムの切断反応を行った(キメラ相補鎖は11〜20mer)。その結果、アクセプターステムでは目的位置(複数)が効率よく切断されることが明らかとなった。他の領域に対する反応は、1ヶ所のみでの切断を与えず、効率も低下した。この原因は、tRNA中の修飾ヌクレオチドの存在やtRNAの高次構造の部分的保持などによるものと考えられる。
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