研究課題/領域番号 |
62870094
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
室田 誠逸 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50072989)
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研究分担者 |
森田 育男 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (60100129)
山本 章博 テルモ株式会社, 医薬品開発部, 部長
若林 利生 テルモ株式会社, 技術開発部, 部長
飯野 靖彦 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (60134706)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
1989年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1988年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1987年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | アラキドン酸代謝 / メサンギウム細胞 / アンジオテンシンII / エンドセリン / 免疫複合体腎炎 / ピュ-ロマイシンアミノヌクレオシド腎炎 / 増殖性糸球体腎炎 / 腎炎 / 糸球体 / アラキドン酸 / リポキシゲナ-ゼ / HETE / リポキシゲナーゼ / 12ーリポキシゲナーゼ |
研究概要 |
アラキドン酸代謝と腎炎の関係を明らかにするために、各種腎炎モデルにリポキシゲナ-ゼ阻害剤(TMK-688,TER-61021,BW-A4C)を投与し、その影響を検討した。その結果、(1)免疫複合体によるラットBSA腎炎モデルでTMK-688は尿中タンパク排泄量を減少させた。(2)非免疫学的機序によって惹起させたピュ-ロマイシンアミノヌクレオシド腎症に対して、TER-61021はタンパク尿の改善作用を示さなかった。(3)塩基性抗原によって惹起した腎炎(CBGG腎炎)に対しても、TER-61021はタンパク尿改善作用を示さなかった。(4)抗Thy1.1モノクロナ-ル抗体を静注する事により作成したメサンギウム増殖性糸球体腎炎に対してBW-A4Cはメサンギウム領域の拡大を抑制した。また、このモデルにおいては、タンパク尿の軽減傾向も認められた。以上の結果から、リポキシゲナ-ゼ阻害剤は非免疫学的機序により発症する腎炎や塩基性抗原が原因となる腎炎に対しては治療効果は期待できないものの現在問題となっている大半の慢性糸球体腎炎、及び予後不良とされている増殖性糸球体腎炎に対して治療効果が期待される。そこで次にメサンギウム細胞の増殖に対するアラキドン酸代謝阻害剤の影響を培養メサンギウム細胞を用いて検討した。その結果、20%FCSで刺激したメサンギウム細胞の増殖をリポキシゲナ-ゼ阻害剤は抑制し、シクロオキシゲナ-ゼ阻害剤は促進させた。また、アンジオテンシンIIによるメサンギウム細胞の増殖もリポキシゲナ-ゼ阻害剤で抑制され、リポキシゲナ-ゼ代謝産物が、メサンギウム細胞の増殖の亢進に関与している可能性が示唆された。以上のことから、in vivoとin vitroの両方において、リポキシゲナ-ゼ阻害剤が増殖性糸球体腎炎や慢性糸球体腎炎の治療薬となり得る可能性が示された。
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