研究課題/領域番号 |
62870100
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医学一般
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
津田 正明 岡山大学, 薬学部, 助教授 (80132736)
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研究分担者 |
小野 勝彦 岡山大学, 医学部, 助手 (30152523)
川村 光毅 慶応大学, 医学部, 教授 (40048286)
土屋 友房 岡山大学, 薬学部, 教授 (80012673)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1989年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1988年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1987年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | レトロウイルス / 遺伝子導入 / 細胞移植 / 小脳初代細胞 / 小脳 / ベクター / 中枢神経系 / 移植 / ウイルス感染 / 神経疾患治療 |
研究概要 |
外来遺伝子を導入した神経系細胞を動物脳内特定部域へ移植する試みは、神経系の形態形成及び機能発現のメカニズムを遺伝子発現との関連で探っていく上で重要である。また、神経疾患治療上、有効な手段を提供する可能性もある。 本年度は、組換えレトロウイルス産生株42-87より得られたウイスルを、出生直後のマウスより調製した小脳初代培養細胞に感染させた。その後、G418存在下で3週間培養を続け、感染細胞を選択し、7週令マウス小脳へマイクロジシンジで移植した。その結果、移植後1,3週目のマウス小脳内でCAT陽性の移植細胞が認められたが、3ケ月のものでは認められなかった。抗CAT抗体による免疫染色により、ウイルス感染効率は約1%程度と見積られた。この感染効率は、ウイルス感染を繰り返し行うことによって、ある程度上げることが可能である。感染後の選択培養によって、グリア線維酸性蛋白質(GFAP)、ニュ-ロフィラメント(NF)産生細胞の減少が認められた。現在、移植細胞の調製等を検討中である。いずれにしても、マウス小脳初代培養細胞のマウス小脳内への移植は可能であり、導入遺伝子も持続的に発現することが分かった。また、細胞移動の結果と思われるCAT陽性細胞が移植細胞塊とは離れて認められる例があった。これは、神経細胞の移動のメカニズムを解明する上でも、この解析系が有効な手段を提供し得ることを示している。 これとは別に、私たちは最近、プラスミドDNAの脳内への直接注入による神経系細胞への外来遺伝子の導入発現に成功している。この方法は、その簡便さと効率の良さから、今後、脳を遺伝子発現レベルから探る上で有効な手段を提供し得る。
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