研究課題/領域番号 |
62870104
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長沢 滋治 北海道大学, 薬学部, 助教授 (70029958)
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研究分担者 |
松田 武久 国立循環器病センター, 人工臓器部, 部長 (60142189)
山下 俊之 北海道大学, 薬学部, 助手 (90192400)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1987年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 人工膜 / 補体系 / 医用高分子膜 / 血漿分離膜 |
研究概要 |
本研究は補体非活性化膜の開発のための情報をえる目的で計画されたもので、次の諸点についての研究を展開した。 1)人工膜表面に結合した補体成分の分析のための蛍光標識抗体の調整:人工膜による補体系の活性化機構を知るうえで、どのような補体成分が膜上に結合しているかを解析することは重要である。そのために、10種類のヒト補体成分に対する高力価の抗体を作成し、これを蛍光標識した。これら蛍光抗体の有用性を確認するため、糸球体腎炎の病理組織に適用した。その結果、これら蛍光性抗体は膜表面に沈着した補体成分の判定に有用なことが分かった。 2)ネオ抗原特異的な単クローン抗体の調整:補体系の活性化に伴って、さまざまなフラグメントが生成する。これらフラグメントには元の補体蛋白にはみられない特異な抗原決定基(ネオ抗原)が現れることが知られている。それゆえ、このネオ抗原特異的な単クローン抗体は補体活性化の判定に有用なものと考えられる。これまでに、4種類の補体フラグメントのネオ抗原特異的単クローン抗体を分離することが出来た。今後、これら抗体を用いた酵素免疫測定法を開発し、人工膜による補体系活性化の定量法への活用を試みる。 3)血漿分離膜の補体系活性化能の評価:北海道赤十字センターと旭メディカ社は、カートリッジ式の血漿分離装置の開発を進めつつある。そのさい使用される分離膜の改良設計を目的とした共同研究を行なった。基本的にはポリエチレン膜を用い、それに種々の親水性基を導入した分離膜を設計し、補体系を活性化しない膜を探索しつつある。これまでのところ、ポリエチレングリコールの導入がこの目的に適することが分かり、さらに詳細な検討・改良を計画している段階である。
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