研究課題/領域番号 |
62880016
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
多賀谷 久子 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70024932)
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研究分担者 |
西沢 和夫 界面技術研究所, 代表者
NISHIZAWA Kazuo Laboratory of Interfacial Technique, Chief
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1987年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 毛管浸透の過渡現象 / 動的接触角 / 毛管浸透速度 / 平行平板電極間誘電率 / 平行平板電極の電気容量 / 毛管有効半径 |
研究概要 |
多孔性物質の毛管浸透現象に関する様々な理論が提出されているが、その実験的検討、特に過渡現象に関するものは、ほとんどなさていない。それは測定装置の分解能と精度に問題があったためと考えられる。 二枚の平行平板電極の間に多孔性試料を挟み、液体に接触させると、水の上昇に伴って、試料中の空気が水に置換され、電気容量が鋭敏に変化する。この現象に着目して、浸透ぬれの過程、とくに過渡現象に注目して、専用の測定装置を試作した。本装置は、計測の感度を支配する変換器の帰還抵抗、測定周波数、発振器の出力電圧を組み合せることによって、大抵の測定条件をカバーし、最適な条件を選ぶことができる。また容量測定であるため、感度のほか分解能が極めて高く、他の測定法より優れている。さらに浸透液が適当な誘電率をもつならば、どんな液体でもその浸透過程を測定することが出きる。 そこで、これまで提出されている毛管浸透理論と試作の装置による測定結果を比較検討するため、Washburn式、Szekelyらの理論式およびLevineらの理論式の数値解析プログラムを作成し、三者の浸透過程の特性を比較した。まず、Washburn式とLevineらの式は、0.1秒以内の初期に、液体が急速に上昇し、両式は0.2秒付近まではほゞ一致する。一方、Szekely式は、過渡期において前二者と挙動を異にし、0.2秒を過ぎると彼らの理論曲線に近づく。 さて本測定装置よって、繊維集合体の過渡現象を測定し、上に検討した理論と比較した。まず各種素材の布の毛管浸透の過渡現象はWashburnやLevineらの理論では説明できないことがわかった。一方Szekelyらの理論曲線と本実験結果は、極めてよく一致し、水やアルコールの過渡現象を精確にとらえ、彼らの理論でよく説明できることが明らかになった。さらに繊維集合体の毛管浸透を支配するパラメーターを彼らの理論式から決定することができることがわかった。
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