研究課題/領域番号 |
62880018
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 名古屋大学 (1988) 三重大学 (1987) |
研究代表者 |
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
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研究分担者 |
中 充子 三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
萩原 正敏 名古屋大学, 医学部, 助手 (10208423)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1987年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | プロテインキナーゼ阻害剤 / アフィニティークロマトグラフ / ミオシン軽鎖キナーゼ / Cキナーゼ / Aキナーゼ / ML-9 / サイロキシン |
研究概要 |
リン酸化酵素阻害剤を用いたアフィニティークロマトグラフによって、Cキナーゼおよびミオシン軽鎖キナーゼの迅速かつ高純度な分離精製に成功した。Cキナーゼにおいては、精製標品を用いアミノ酸配列を決定し、少なくとも3種類の遺伝子に由来した酵素から構成されていることを明らかにした。さらにハイドロキシアパタイトカラムにより、Cキナーゼを3つのサブタイプに分離することに成功し、それぞれのサブタイプ別のモノクローナル抗体を得ることができ、Cキナーゼの生理的役割を調べるうえに重要な手段を得ることができた。精製したCキナーゼを用い血管平滑筋収縮における役割を検討した結果、Cキナーゼは、ミオシン軽鎖キナーゼがリン酸化するミオシン軽鎖の部位とは異なる部位をリン酸化することより、血管平滑筋の収縮を抑制することが明らかになった。Aキナーゼによるミオシン軽鎖キナーゼのリン酸化は、2モルのうち1モルがカルモデュリン結合部位であることがサイロキシンを用いることにより確認された。血管平滑筋の収縮機構において重要な役割を果たすミオシン軽鎖キナーゼに対するCキナーゼ及びAキナーゼのリン酸化酵素相互間の調節機構の一端をリン酸化酵素阻害剤及び阻害剤を用いたアフィニティークロマトグラフにより精製した酵素により明らかにすることができた。サイロキシンがキモトリプシンやV_8プロテアーゼによってフラグメントに切られたミオシン軽鎖キナーゼのカルモデュリン結合部位を有するフラグメントに結合することから、サイロキシンアフィニティーを利用し、カルモデュリン結合ドメインの精製の可能性が示唆された。このようにリン酸化酵素阻害剤のアフィニティークロマトによるプロテインキナーゼの精製により、その酵素の生理的役割の解析及び酵素間の調節機構の解明が可能になり、アフィニティークロマトグラフの有用性を証明することができた。
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