研究課題/領域番号 |
63010012
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松島 泰次郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012759)
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研究分担者 |
大村 浩久 九州大学, 農学部, 教授 (40038154)
富田 勲 静岡薬科大学, 教授 (10046253)
葛西 宏 国立がんセンター研究所, 研究員 (40152615)
山添 康 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (00112699)
及川 淳 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (40076980)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
1988年度: 13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
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キーワード | 変異原物質 / 癌原物質 / ヘテロサイクリックアミン / クレアチン / クレアチニン / アセチルトランスフェラーゼ |
研究概要 |
肉類の構成成分であるクレアチン(クレアチニン)は、アミノ酸、糖類と共存下に加熱するとMelQなどの加熱食品変異原を生成するが、クレアチン単独で加熱したときにも強い変異原性を示し、変異原物質が糖製単離された。一つは3環性構造を有し、環内に3個の窒素原子を持ち、アミノ基と、N-メチルアミノ基がそれぞれ1個、N-メチル基を2個有し、2個の酸素原子を含む新しい構造の強い変異原物質であった。もう一つは、3環性構造で環内に6個の窒素原子を持ち、4個のN-メチルアミノ基を有する弱い変異原物質であった。クレアチンの熱分解で生じる変異原は多数の窒素を含み、多くのアミノ基、N-メチルアミノ基、N-メチル基を有するので、多くの異性体が存在することが予想される。肉類を焼いたものを亜硝酸処理すると変異原性が増加する。焼羊肉より亜硝酸処理により変異原物質になる変異原前駆物質の分離同定が行われた。トリプトファン、トプタミン、5-ヒドロキシトリプタミ等のインドール誘導体が同定された。また、分子量420及び430の変異原前駆物質が分離され、構造決定中である。 癌原性ヘテロサイクリックアミンの活性化に関与する可溶性アセチルトランスフェラーゼ(AT-IとAT-II)が精製され、量酵素の性質が調べられた。アセチルCoAを供与体とすると、AT-IはアミノフルオレンをN-アセチル化し、N-ハイドロキシ 1u-P-1をO-アセチル化するが、AT-IIは前者の活性はあるが後者の活性を持たない。両酵素は免疫学的には共通の構造を有している。癌原性ヘテロサイクリックアミンのTrp-P-1、Trp-2のクロマトグラフィーを用いた定量分析法を確立し、人の尿について分析が行われた。両ヘテロサイクリックアミンが検出されたが、加熱食品中のこれら変異原物質の含有量と尿中への排泄量との関係を検討中である。人の曝露量の解析への応用も検討されている。
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