研究課題/領域番号 |
63010015
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河井 貞明 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70107423)
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研究分担者 |
竹縄 忠臣 都老人研, 部長 (40101315)
口野 嘉幸 国立がんセンター研究所, 部長 (60124418)
野田 亮 理化学研究所, ライフサイエンス, 研究員 (30146708)
竹家 達夫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (60112330)
野村 信夫 日本獣医畜産大, 助教授 (20147862)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
18,800千円 (直接経費: 18,800千円)
1988年度: 18,800千円 (直接経費: 18,800千円)
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キーワード | 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / maf / A-myb / B-myb / sno / Krev-1 / s-myc |
研究概要 |
当研究は癌遺伝子と癌抑制遺伝子の探索とその機能の解析から成り立っているが、新しい癌遺伝子の発見については、河井らはトリの筋腱膜繊維肉腫から分離したウイルスを解析した結果、転写調節因子に特異的に見られるロイシンジッパー構造を有する。既知の癌遺伝子とは全く異なる新しい癌遺伝子を持つことを見い出した。この癌遺伝子、V-mafの全塩基配列を決定すると共に、対応する細胞側遺伝子をクローニングしその構造を明らかにした。野村らはヒトから既知の癌遺伝子myb、SKした関連する新しい遺伝子A-myb、B-myb、snoを分離しその構造を明らかにすると共に染色体マツピングを行った。 また、竹家らは新しい方法を用いて癌遺伝子候補としてチロシンキナーゼ遺伝子ファミリーに属する10遺伝子をニワトリ、及びラットのcDNAライブラリーから分離し構造決定を進めている。癌遺伝子の構造と機能の解析に関しては河井らはヒトから分離されたが機能未知の癌遺伝子fynをトリレトロウイルスベクターに組み込み、トランスフォーミング活性獲得に必要な構造変化につき解析し興味ある知見を得た。癌抑制遺伝子については野田らはrasでトランスフォームさせたNIH3T3細胞を正常化させる遺伝子、Krev-IをヒトのcDNAライブラリーから分離した。その構造を決定したところ、ras蛋白の機能領域のそれと極めて良く似た構造をもつras関連遺伝子であることがわかり、同じファミリーに属する癌遺伝子と抑制遺伝子が拮抗して働いている可能性を示唆した。 一方、口野らは前に分離していたmyc関連遺伝子(s-mycと命名)の構造的特徴を明らかにし、それが癌抑制遺伝子として働く可能性を検討したところ実際にラット神経腫瘍細胞の造腫瘍能を抑えることを見出し、myc遺伝子ファミリーにも、抑制遺伝子として働くものがあることを示唆した。
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