研究課題/領域番号 |
63010032
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
鳥塚 莞爾 福井医科大学, 副学長 (00025537)
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研究分担者 |
石井 靖 福井医科大学, 医学部, 教授 (00026949)
小西 淳二 京都大学, 医学部, 教授 (70026970)
横山 陽 京都大学, 薬学部, 教授 (90025685)
井戸 達雄 東北大学, ラジオアイソトープセンター, 教授 (80134063)
野原 功全 放射線医学総合研究所, 物理研究部, 室長
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
17,900千円 (直接経費: 17,900千円)
1988年度: 17,900千円 (直接経費: 17,900千円)
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キーワード | ポジトロンCT / 腫瘍イメージング / 代謝イメージング / 放射性医薬品 / がん診断 / サイクロトロン核医学 / 小型サイクロトロン / 核医学 |
研究概要 |
サイクロトロンで産生される超短寿命のポジトロン核種^<11>C^<13>N,^<18>Fおよび^<99m>Tc,^<123>Iを用いた新しいがん診断法の開発を目的として、各種標識化合物の合成とその体内挙動に関する検討、ポジトロンCT(PET)装置の開発とその動態機能解析法の開発に関する研究が行われた。 放射性薬剤については、高純度の2-デオキシ-2-フルオロ-D-タロースおよび坦体無添加2-デオキシ-2-フルオロ-D-グルコースが合成され、また、細胞膜の性質の変化を利用した腫瘍の代謝イメージング剤として、^<18>F-フコーゼが合成され、腫瘍集積が認められた。また、がん指向性の^<123>I標識グルコース誘導体として、^<125>I-N-(m-ヨードベンジル)-D-グルコサミンが合成され、組織内のヘキソナーゼ活性の評価剤に使用し得る可能性が示された。 頭部用の高解像力ポジトロンCT装置の開発が行われ、PETの臨床利用におけるコンパートメント・モデル解析法が検討され、脳代謝の解析における臨床上の有用性が示された。 臨床研究では、脳腫瘍、肺癌、甲状腺癌、膵癌患者に^<18>FDG,^<11>C-メチオニンなどを投与し、腫瘍への集積と治療による変動が検索され、腫瘍における特異な代謝の評価と、これを利用した腫瘍イメージングの研究が進められた。特に治療による代謝の変化の検出は、今後の臨床利用に大きな期待が持たれた。また、腫瘍のR1摂取とMRスペクトロスコピーによるインビポ測定による組織のpH値との関係が検討され、腫瘍のRI摂取機序の解明に有用な方法になると考えられた。 本研究で示された成果は、さらに膜透過、酵素活性、受容体活性などの特異的な機能測定を目的とした新しい標識化合物の開発および臨床利用、高性能ポジトロンCT装置の開発による定量性の向上へと進展し、腫瘍の病体生理の解明、がん診断法の新しい展開が期待される。
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