研究課題/領域番号 |
63010040
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
加藤 武司 大阪大学, 医学部, 講師 (90028382)
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研究分担者 |
立花 章 京都大学, 医学部, 助手 (20188262)
尾川 博昭 九州工業大学, 講師 (50108685)
木村 博 滋賀医科大学, 助教授 (00110560)
古山 順一 兵庫医科大学, 教授 (30068431)
佐藤 弘毅 放射線医学総合研究所, 遺伝研究部, 主任研究員 (60029775)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
1988年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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キーワード | HPRTcDNA遺伝子 / Trp-P_2誘発変異 / 突然変異スペクトル / PCR法 |
研究概要 |
シャトルベクターによって、ヒトHPRTcDNA遺伝子をもつマウス培養細胞をTrp-P_2で処理し、誘発されたHPRT細胞クローン74株を分離した(木村)。各変異差クローンからCOS細胞との融合法でcDNAHPRT-変異遺伝子DNAを回収、シーケンシングによって変異塩基配列を同定した(加藤、尾川)。変異した塩基配列を詳細に検討すると、塩基置換および1〜2塩基欠失によるフレームシフト変異がほとんどで、両者はほぼ等しい割合で生じていた。それらの変異のほとんどは、グアニン(G)又はテミン(T)塩基の位置で生じていることがわかった。Trp-P_2のがん原性は代謝活性化されたTrp-P_2^*が特異的にグアニンの8位炭素に共有結合した、C^8G附加体が原因と考えられるている。今回得られた結果は、GおよびTが同程度に関与していることを示しており、現在さらに詳細に検討中である。IQによる突然変異誘発は、頻度が低いため変異クローンの収集が難しく(自然誘発のものとの区別がむずかしい)、とり止めとしAAAFを検討中(木村)。マウスリンパ球培養細胞の変異原感受性株(野性型、M10、Q3、MMC)のIQによる6TG^R変異誘発頻度は、いずれも野性型の細胞と変化はなかった(佐藤)。 また、ヒトDNA修復欠損(XP、AT)症患者由来の培養リンパ球細胞の、自然およびUV、X線誘発6TG^R変異クローンのゲノムHPRT遺伝子をサザンブロットで調べた結果は、バンドの一部欠失が認められたのは、自然誘発で10〜20%、X線で50〜70%、UVでは0〜10%であった。AT細胞では自然誘発でも欠失が高い頻度でみられた(立花)。ゲノム遺伝子の解析法として最近開発されたPCR法は、がん関連遺伝子の解析にも有用であるので、cDNAおよびゲノムHPRT遺伝子の変異をPCR法で解析するため、基礎的研究に着手し染色体に組み込まれたcDNAHPRT遺伝子をPCR法で増巾、シーケンシングできるところまできている。(松永、加藤)
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